ロドリゲス阪神にいたら1面/西村監督×山田氏対談

ガッチリ手を組むオリックス西村監督(左)と本紙評論家の山田久志氏(撮影・前岡正明)

オリックス西村徳文監督(60)が、宮崎キャンプで臨時コーチを務める山田久志氏(71=日刊スポーツ評論家、阪急・オリックスOB会長)と特別対談した。

西村監督はメジャー1939安打の大物アダム・ジョーンズ外野手(34=ダイヤモンドバックス)を4番に据え、外国人野手3人を並べれば西武山賊打線に引けを取らないなど、最下位から目指す24年ぶりのV構想を次々披露。勝負の2年目に挑む不退転の覚悟を明した。【取材・構成=寺尾博和編集委員、真柴健】

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山田氏 ジョーンズがチーム全体にいい影響を与えていますね。

西村監督 まだ本調子ではないと思いますが、他の外国人や吉田正、T-岡田にもいい刺激を与えてくれています。

山田氏 非常にフレンドリーで、選手とチームに溶け込もうとする姿が印象的です。「4番」で力を発揮すれば、その前後も打ちやすくなります。

西村監督 今年は重量打線になって、ここにT-岡田が復活すれば、かなりの得点力アップが期待できそうです。

山田氏 外国人枠の競争ではモヤの変身が目につくね。中日で出場機会に恵まれなかったハングリーさをぶつけているようです。

西村監督 アデルリン・ロドリゲス(28=パドレス3A)を含めて野手3人とも1軍に入れたいが、投手の関係もありますからね。

山田氏 チーム戦術のオプションが増えたのは頼もしい。ロドリゲスも阪神にいたら1面です(笑い)。

西村監督 外国人枠は「投手2人、野手2人」になるか、それとも「野手3人」になるかは、これから見極めたい。野手3人になれば西武打線にも引けを取りません。

山田 それに吉田正がリーダーとしてチームを引っ張っていく態勢が整ったのは大きい。T-岡田も今年にすべてを懸けるぐらいの姿勢がみえます。

西村監督 昨季は吉田正を開幕から「4番」に置いたからプレッシャーになったと思います。そこは本人と話をして「3番」が合っていると思いました。

山田氏 「2番」に強打者を据える手も面白そうです。

西村監督 昨年は足を絡めて走者を二塁、三塁に進めたが、それでも得点圏打率が低かった。そういった意味では、点の取り方は変わってきそうです。

山田氏 今まで吉田正だけを注意すれば、そう大量点にはならない打線でした。リーグ最少の得点力のチームが警戒される打線に生まれ変わる可能性だってあります。

西村監督 だから昨年以上に1、2番の打者が大事になってくると思うんです。打率も出塁率も残してもらいたい。そこはひとつのカギですね。

  

山田氏 投手では侍ジャパン入りの山岡、山本の2人が刺激を与えているのは実にいい感じです。これに打線との相乗効果が生まれればしめたものだ。

西村監督 山本は打線とかみ合わず、本当は(8勝6敗の)2倍の勝ち星を挙げてもおかしくない。その2人に田嶋が入ってきてくれないと困ります。

山田氏 田嶋は順調にきてるし、若手で競争が激しいのは理想的です。逆に若すぎて存在感のあるベテランが1人ほしいと思うぐらいです。松坂大輔のようなね。

西村監督 抑えはディクソンと決めていますが、あとは7、8回ですよね。

山田氏 ただ他球団と比べても恥ずかしくないリリーフはいます。沢田、近藤…。あとは増井がどこまでやってくれるか。

西村監督 経験、実績豊富な増井の復活には期待してるんです。

山田氏 タイラー・ヒギンス(28=パドレス3A)は実戦でみないとわからないが制球面に問題はない。ただ外国人枠を活用するためには早めに見極めた方がいいかもしれませんね。東京オリンピック(五輪)もあってどのチームも戦い方が難しい。うまく乗ったらチャンスありです。

西村監督 もちろん、そのつもりです。選手たちもその気になっています。自分も(監督2年目で)勝負の年です。

▼オリックスの開幕戦オーダーに外国人野手が3人そろえば、14年のヘルマンペーニャ、ベタンコート以来。この年チームは2位に躍進したが、フル活躍したのはヘルマンとペーニャの2人だった。近年では、07年3人=ラロッカ、ローズ、アレン、08年3人=ラロッカ、ローズ、カブレラ、09年4人=ラロッカ、カブレラ、ローズ、フェルンデスの例がある。(ローズは日本人扱い)。08年のチームは2位だったが、07、09年は最下位。3人以上の外国人野手を使いこなして勝つのは容易ではない傾向にあるが、果たして今季は?

<オリックス20年開幕予想オーダー>

1(二)福田

2(三)中川

3(左)吉田正

4(右)ジョーンズ

5(一)T-岡田orモヤ

6(指)ロドリゲス

7(中)宗

8(捕)若月

9(遊)安達

(投)山岡