西武松坂、東京五輪やっぱり出たい/○×で語る本音

マル!今季への思い、西武への思いを語った松坂(撮影・足立雅史)

14年ぶりに西武に復帰した松坂大輔投手(39)が「○×形式」で本音を語った。今年9月で40歳。ケガに苦しみながら迎えるプロ22年目に、プロの第1歩を踏み出した古巣のユニホームに再び袖を通した。「平成の怪物」と呼ばれ、メジャーや日本代表など多くの経験を重ねてきた。何度も引退の二文字が頭をよぎりながらも現役を続ける葛藤や、五輪への思いを語り尽くし、チームの3連覇を約束した。【取材、構成=栗田成芳】

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Q1・調整は順調

○ 現段階では投げたい時に投げられている。体全体的な問題はあるけど、僕の場合はどこまで投げながら調整できるか。自分が思っていたよりもブルペンに入るのも早かったし、回数も球数も投げることができてます。

Q2・仲のいい選手はできた

○ 相手は見つけました。平井ですかね。野手だと一緒にやっていたクリ(栗山)、ご飯で一緒のテーブルでキム(木村)、森越と話してます。野球の話も、たわいのない話も。そこから僕に対して話しやすい雰囲気をつくっていけたら。

Q3・正直、西武に戻って来られると思っていなかった

× 僕はメジャーへ行く時、帰ってくることがあったらライオンズと思っていた。温かく迎えてくれて、やりやすい環境つくってもらっている。それぞれチームの良さがありますが、プロ入りしたチームに戻ってきた時の気持ちは違いました。

Q4・正直、背番号は16番より18番がいい

○ イエスだけど、僕は空いていればって気持ち。他につけている選手がいれば、変えてもらおうとは思わない。

Q5・200勝(現在日米通算で170勝)は達成したい

○ 正直分からないけど、諦めずにその数字は追い求めていきたい。ここ数年、ケガをして思うようにいかなくなったからこそ、強く意識するようになったかもしれない。若い時、アメリカにいる時に200という数字をそこまで意識することなかった。たまに(元監督の)東尾さんと話すと、達成したい、達成しなきゃいけないという気持ちが出てくる。その気にさせてもらっている。

Q6・ソフトバンク、中日と対戦する時、気合が入る

○ 入るのかな? 気合とはちょっと違うな。でも投げたいです。どちらかというと○。

Q7・まだ五輪に出たい

○ 今年東京五輪があるから聞かれること多いけど、やっぱり出たい。あの、日の丸を背負ってプレーすることの重みというか、プレーするプレッシャーだったり喜び、責任、そういうものを感じたいと常に思う。勝手にスイッチが入るんですよ。試合前、国歌を聞くと勝手にスイッチが入る。「今、俺すごいカッコイイ」って。胸の日の丸に手を当てて国歌を聞いている瞬間、日の丸をすごく意識させられる。どう意識しても普段のレギュラーシーズンでは感じることができない異質なもの。プレッシャーや勝った時の喜びは、比べるものじゃないけど、全く違うものなので出たい。ですけど、他の子にも経験してもらいたいですね。

Q8・今年40歳。若い頃、想像していた40歳とは違う

○ こんなにケガしていると思わなかった。単純に。無理してきたわけじゃないが、請われれば投げてきた。応えたいと思って投げ続けてきた。その中で、ケガをするというのは考えていなかった。体の強さには自信があったので。だからといって、何もしてこなかったわけじゃないけど、40歳になって元気にバリバリ投げていると思っていました。なので、自分が想像していた姿とは違いますね。

Q9・引退を考えたことがある

○ 何度かある。(レッドソックス時代の11年6月に右肘の)トミー・ジョン手術をやってリハビリが思うように進まない時期、しっかり投げられるようになるのか? ならなかったらどうしよう? って考えた。日本に帰ってきてから(ソフトバンク時代の15年に右肩を)手術したこと、なかなか状態が上がらないことを含め、野球を続けるのはきつかった。好きなことやらせてもらって幸せなんだけど、思うように投げられない時期が自分の予想より長くて「やめたら楽になるな」と何度も思った。それでも続けられた理由は「けがしたまま終わりたくない」「もうちょいしっかり投げられるようになりたい」。そして「自分は野球が好きだ」。ですかね。

Q10・西武は今季3連覇できる

○ もちろんです。個々のポテンシャルの高さはすごい。野手もそうだし投手も。だから投手に関しては、ちょっともったいないな、って思う部分は多い。能力はあるのに、うまく試合で発揮できていない。精神面も技術面も両方。両方が勝てるレベルにないとうまくできない。野手も、バットがよく振れているな、って思います。この打線に投げる投手は大変ですよ。