阪神藤浪ローテ入りは「追試」寒空で尻上がり投球

阪神対大商大 6回から3番手で登板する阪神藤浪(撮影・上田博志)

<プロアマ交流戦:阪神10-2大商大>◇5日◇鳴尾浜

開幕ローテ争いで生き残りを懸ける阪神藤浪晋太郎投手(25)が5日、プロアマ交流戦の大商大戦(鳴尾浜)に中継ぎ登板し、4イニングを3安打1四球1失点にまとめた。大学生相手に尻上がりに状態を上げたが、序盤は変化球の制球が定まらない場面も。視察した矢野燿大監督(51)は「(ローテ入りの)決め手にはならない」と表現し、合否は次回の“追試”に持ち越しとなった。

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手がかじかむ。試合開始前後にはみぞれが舞い落ち、気温は10℃を下回っていた。登板中も時折、強い寒風に痛めつけられた鳴尾浜。「寒いのはあまり得意ではないですけど、寒いとか言っている立場ではないので」。藤浪は歯を食いしばり、ゲームを作った。

開幕ローテを争う中、後退だけは許されない大商大戦。6回から登板し、4イニングを3安打4奪三振1四球で1失点にまとめた。絶不調時に目立ったすっぽ抜け球は見られず、最速155キロを計測。イニングをまたいで3者連続三振も奪い「(直球は)ある程度は安定してカウントも取れた」と一定の手応えは得た。

ただ、一方で登板直後は変化球を引っかけてもいた。1イニング目の先頭、右打者の4番福元にはフルカウントからのカットボールが外角低めに大きく外れた。変化球を制球しきれないまま、左打者碓井には外角151キロを狙い打たれ、浅めに守っていた左翼後方まで適時二塁打を運ばれた。

「もうちょっと序盤からポンポンと軽く変化球でカウントを取れたら良かった」。最後の2イニングは意識的に変化球を増やし、最終回は3球連続スライダーで空振り三振を奪う場面も。「修正できたのは良かった」と振り返りつつ「(序盤から)投球の幅があれば…」と自ら注文をつけることも忘れなかった。

すでに開幕ローテ6枠のうち4枠は確定。開幕2戦目にも5人目の中田が急浮上している。藤浪は実質残り1枠をスアレス、秋山、岩貞らと争う立場だが、球界屈指の潜在能力を考えれば、周囲の期待値はどうしてもそれ以上に高くなる。

矢野監督は「良くなっている部分も多い」と前置きした上で「決め手にはならないよね。今日の晋太郎で開幕(ローテ)を決めるというところまでは行っていない」と合格点は与えず。「もうワンランク、ツーランク。ベース上での強さとかキレとかは、これから求めていくところになる」と“追試”を示唆した。

現状、次回登板は10日のオープン戦・DeNA戦が予想される。変化球は立ち上がりの制球、直球はコースへの投げ分けが課題になる。「いい感じでは来ているけど、まだまだやるべきことをやらないといけない」。復活へ、1段1段、階段を上る。【佐井陽介】

◆虎の開幕ローテ 開幕投手は西勇に内定。左腕の筆頭格・高橋、昨季9勝の青柳、新外国人右腕ガンケルも当確している。ヤクルトとの開幕カードは2戦目に経験豊富な新加入・中田が急浮上。3戦目は青柳が有力だ。2カード目のDeNA3連戦の初戦は高橋が濃厚。開幕から外国人4枠を有効に活用したい狙いもあり、ガンケルはDeNA3戦目まで温存される見込み。現状、残る1枠をスアレス、秋山、藤浪、岩貞らで争っているとみられる。