佐々木朗希158キロ 1年目の大谷超え

プロ初の打撃投手を務め、力強く投球する佐々木朗(撮影・狩俣裕三)

2・3キロが進化の証し!ロッテのドラフト1位・佐々木朗希投手(18)が24日、プロ入り後初の「対打者」を経験した。同5位の福田光輝内野手(22)らのフリー打撃で直球のみ25球。安打性の打球は4本だった。最速は157キロで、投球練習では158キロも計測した。1年前、岩手・大船渡高時代の初投げから平均球速を上げ順調な成長ぶりを見せる右腕に、井口資仁監督(45)は4月中の実戦デビューを示唆した。

投球練習時点で「158」を表示させても、佐々木朗に特段のたかぶりはなかった。「打者相手ですごく楽しかった。風とか、この球場の特徴を感じながらできました」と6分間で25球、本拠地ZOZOマリンのマウンドを味わった。

風を感じられるほどの落ち着きは、本人だけだったかもしれない。150キロ台連発に周囲はあぜん。1球目で場を制した。157キロ速球に、福田光がフルスイングで応じた。振り遅れ、打撃ケージ内の三塁側に直撃。「左手で押し込まないと、前に飛ばないなと」。オープン戦3発の左の強打者が、即座に引っ張る意識を消すほどだった。

気温10度、風速10メートルの3月24日に投げる球ではなかった。投球練習も含め、マウンドで36球を投げた。未計測・誤計測を除き、力を入れた29球の平均球速は、153・2キロに達した。球速帯は145~158キロ。「球速にばらつきがあったので、安定して良い球を投げられるように」とより高いレベルを己に課す。

1年前の3月31日、作新学院(栃木)との練習試合を、大船渡(岩手)時代のベストピッチと自覚する。「直球も変化球も思うように操れたので」。同じように冷え込む中、当日の最速は156キロ、直球平均は150・9キロだった。

1年間での「2・3キロ増」は本人の努力に加え、吉井投手コーチらの育成プログラムの成功に他ならない。井口監督も「素晴らしい球。変化球が入ると直球がさらに脅威になる」とベタ褒め。来週にはシート打撃予定で、指揮官は「4月に実戦? その方向で考えてます」と明かした。

佐々木朗は「もう少し良くなると思います」と上積みを予感させた。最速163キロの計測は作新学院戦の1週間後、高校日本代表候補合宿の紅白戦。平均球速は156・4キロで、前週から一気に5・5キロも上げた。さて、今年は。重い話題が多い今、春の夢を託したくなる。【金子真仁】

◆大谷は157キロ プロ野球最速は大谷(日本ハム)が16年CSで出した165キロだが、当時は入団4年目。大谷の1年目は公式戦最速157キロだった。