阪神自主練は“半歩前進” 有識者ら助言で再開決断

阪神の球団旗

苦難の虎が1歩、前に踏み出す。阪神は13日、藤浪晋太郎投手(26)ら3選手の新型コロナウイルス感染を受けて3月27日から休止していたチーム活動を、15日から再開すると発表した。当面の間は自主練習として1軍は甲子園、2軍や寮生は鳴尾浜の各球団施設で行う。自宅待機を余儀なくされた選手のコンディションを考慮し、難しい決断を下した。

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阪神が新しい局面を迎えた。谷本修球団副社長兼本部長(55)は電話取材に応じ、自主練習開始、施設開放に至った経緯を説明した。「選手が体を作るというのは室内の家だけでは難しいですし、どうしても外に出ることになる。彼らになんとか練習環境を提供できないかと考えまして、(1、2軍)両監督に相談してご賛同を頂いた」。この日の午前中に球団の管理部長、ファームディレクターらと会談。3週間ぶりとなる「活動再開」を決めた。

決断は困難を極めた。3月26日に藤浪が球界初のコロナウイルス感染者であることが判明。翌27日には伊藤隼、長坂の感染が分かり、阪神から複数感染者が出る事態に発展した。今月7日には大阪、兵庫にも緊急事態宣言が発令。複雑に要素が絡み自主トレなどで活動を継続する他球団とは事情が異なった。球団はNPBとJリーグが設置した新型コロナウイルス対策連絡会議の専門家チームや地域アドバイザーらの助言をもとに慎重にタイミングを図ってきた。

出来る限りの策を施す。密集を避けるため1軍選手は甲子園、2軍及び寮生、故障者は鳴尾浜の球団施設に分かれる。希望者は両施設ともに投手・野手それぞれ2グループ、計4グループに振り分けられ、時間帯も午前、午後に分かれる。1グループは7、8人程度になる見込み。同副社長によれば、同一ポジションの選手は「極力(グループを)分けて」振り分けられる。1軍に同行していた虎風荘の寮生は移動を避けるため、基本は寮に隣接する鳴尾浜で自主練習する方向だ。

球場、室内練習場、ブルペンなどが使用可能となるが、風呂、シャワーの利用は禁止だ。監督、コーチは甲子園、鳴尾浜ともに視察を控える方針。球団事務所は今後も臨時休業の状態が続く。自主練参加選手は個別包装の弁当を提供するが、持ち帰りを促す。自主練習再開を「半歩(前進)」と話した谷本副社長だが、全体練習については「見えていない」と説明。まだまだ道は険しいが、コロナ禍に苦しむ阪神が厳戒態勢のなかで新たな段階に進む。【桝井聡】