阪神藤浪「特に治療ということはなかった」一問一答

球団施設で記者会見する阪神藤浪(代表撮影)

3月下旬に新型コロナウイルス感染が判明し、その後すでに病院から退院していた阪神藤浪晋太郎投手(26)が4月23日、兵庫・西宮市内の球団施設内で代表取材形式による会見に臨んだ。

3月14日に延べ13人以上の会食に参加したことを「非常に軽率でした」と反省し、「まずファンの方々、プロ野球関係者の方々、そしてチームの方々に大変なご迷惑をおかけして、非常に深く反省しております」と謝罪した。

藤浪は3月26日深夜に新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCR検査で陽性判定を受け、翌27日から入院。4月7日に退院し、自宅待機を続けていた。

 

<テレビ会見>

-今の心境は

「まずファンの方々、プロ野球関係者の方々、そしてチームの方々に大変なご迷惑をおかけして、非常に深く反省しております」

-当時の感染対策の認識は

「自分の中で、まさか自分が、と…。そういう認識があまりなかった。そのあたりは軽率だったと思います」

-自粛ムードの中、会食に参加した

「やはり自分の認識が甘くて、自分がなるなんて思わないで行動していた。そのあたりが軽率だったと思います」

-嗅覚異常という症状はどういうものだった

「自分が最初に気付いたのはワインの匂いがしなくて、あまりその時は気に留めなかったんですけど。次の日になっても鼻が詰まっていないにもかかわらず、コーヒーの匂いであったり飲み物の匂いがしなかったので、ちょっとおかしいなということで病院で受診する形になりました」

-症状の変化は

「4、5日ほど匂いがなくて、5、6日目ぐらいからですかね、匂いがするようになった。そこからはちゃんと匂うようになり、今はもう通常通りです」

-鼻づまりと区別はついたのか

「鼻づまりというか、花粉症だったり副鼻腔(びくう)炎で匂いがなくなるというのはあると思うんですけど、それとはまたすごく違った症状。鼻がすごくすっきり通っているにも関わらず匂いがしないというところは自分としてもすごく違和感があったので。鼻が詰まっているか、詰まっていないかというのが大きかった。すごく違和感があったので、違うものなのかなと」

-結果的に嗅覚異常が新型コロナウイルスの症状として認知されることに

「たまたま自分がそういう症状になったということだけであって、いずれは世間に認知されることだと思うので。それよりも自分が感染経路として食事会とか、そういう軽率な行動があった。そちらの反省の方が大きいです。結果として、そういう風につながったというのならいいですけど」

-陽性判定を知った時の心境

「自分自身としては熱も咳もまったくなく、いわゆるコロナウイルスの症状と言われていることがまったくなかったので、自分では陽性ではないだろうとちょっと高をくくっていたところがあった。まさか自分が…という気持ちがすごく大きかったです」

-入院中はどのような生活でどのような心境だった

「入院中は病院の方々の指示に従って部屋に隔離という形で、その中でできる範囲のトレーニングをさせてもらったりはしていました。当時、いろんな看護師さんの方とかいろんな方にお世話になりましたし、すごく病院の方々には感謝しています。今、若い方にも重症化される方がいる中で、自分はこうして元気に復帰できているので、すごく感謝しています。また、医療従事者の方々の大変さというのはすごく近くで見ていて感じたところはありました」

-入院中のチームへの思い

「自分の陽性が発覚したことでチームの動きが止まってしまったので、そこはすごく申し訳ないです。チームの皆さんの練習期間を奪ってしまったのはすごく申し訳なく思っています」

-コロナウイルスが世界的に拡大している中、ウイルスの脅威をどう感じる。

「自分は医療関係者じゃないので、詳しいことは分からないですけど、感染力が強いにも関わらず、自分のように症状がほとんどないということがたくさんあると聞いている。そのあたりがやはり怖い点かなと思います」

-感染者として世間に言えること

「特に自分から言えることはあまりないですが、自分も、まさか自分が、という風に疑わなかった。自分がかかっているのではという風に行動する方が、拡大防止にはつながるのかなと身に染みて思いました」

-監督、チームメートと話は

「今日、甲子園で練習されている皆さんに直接、謝罪と話をさせていただきました。『申し訳ありませんでした』と言うと『しっかり野球で頑張れよ』と声をかけていただいた。野球をしっかり頑張りたいと思います」

-筋力低下など体への影響は

「できることは限られてくるので影響がないということはないですけど、部屋でトレーニングしたり、重りを持ってトレーニングしたりとかしていたので、ある程度、自分でパフォーマンスが落ちないように努めてはいました」

-開幕は見えないが今後への思いは

「今回、たくさんの方々にご迷惑をおかけしたので、反省しまして、今後、野球のプレーで取り返すしかないと思います。しっかりプレーでみなさんに恩返しできるように、一生懸命、野球を頑張っていきたいと思います」

-明日から練習復帰

「はい」

<ペン取材>

-PCR検査を最初に進められた時の心境は

「世間的にはPCR検査を受けるときは症状がしっかりあったりとか、37度以上の熱とかというのがあったので、そういう風にはとらえていなかったですけど、自分が受診した日に嗅覚症状がコロナウイルスなんじゃないかというのがあったので、その流れでPCR検査を受ける形になった。自分の中ではあまりコロナウイルスというのがまったく頭にない状態でPCR検査となったので、驚いたというか…」

-病院ではどのような治療をしてきたか

「特に治療ということはなかったですね。自分が全く症状がなかったですし、入院した当時には嗅覚はもう戻っていましたので、特に無症状、完全な無症状ということで、特に治療ということはなかったです」

-できる範囲のトレーニングしていた

「ちょっとスペースがあったので、そこにマットを敷いて、体幹トレーニングだったりとか腕立て伏せとか、できるトレーニングだったりとか、グラブも持って行っていたのでシャドーピッチングとかもやっていました」

-社会全体で感染拡大防止に取り組む中で、なぜ会食に参加してしまったか

「そこに関しては軽率だったと思いますし、なぜというか、はい」

-食事会の中から選手を含めて6人感染。一歩間違えばチーム内、それ以外にも感染が広がっていた可能性は否定できない

「振り返っても、当時そういう認識はなかったですし、非常に軽率だったと思います」

-これだけ長い間野球ができないのは、野球を始めてから初めて

「ここまでボールを投げていないというのは小学校で野球を始めて以来なかなかないんじゃないかなと思う」

-感染を経験した立場で世の中の人に伝えたいことは

「あまり偉そうに言える立場ではないので、特にということはないですけど」

-体重管理、筋力維持で気を付けていたことは。

「極力、自宅に帰ってからはダンベル注文したりとか、投球用のネットを注文したりして、家でボールを投げたりはずっとしていたので、その辺りは極力、部屋の範囲内で通常の練習に近づけようとしようとは心掛けていました」

-取り返すとなるとプレーで

「そうですね。しっかりプレー、結果で取り返せるように頑張ると言うのが1番大きいと思うので、そこでしっかり取り返していけるように頑張っていきたいと思います」

 

なお、この日は同じく3月下旬に新型コロナウイルス感染が判明していた伊藤隼太外野手(30)、長坂拳弥捕手(25)も会見を行った。