<コロナに負けない球界人:後編>
逆境に屈しない人々が、球界を支えている。新型コロナウイルス感染拡大で球団フロントも普段通りに活動できない状況が続くが、その時間を再開後につなげようと奮闘中だ。オリックスの「コロナ禍にも負けずチームを支える人々」にスポットを当てる。後編は、事業企画部宣伝グループでSNSでの情報発信を任されている仁藤拓馬氏(31)。
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野球が見られない状況でも、選手の様子は画面を通じて知ることができる。仁藤氏は、率先して情報発信に取り組んでいる。
球団の公式インスタグラムでは、選手への質問コーナーをライブ配信中。「今の時期しか見られない選手の素顔も見てもらいたい。シーズン中に質問コーナーはなかなかできないので、今だからできるファンサービスを考えてみました」。計画的な事前準備が全てだった。「キャンプでも(インスタライブを)何回か試していたんです。オープン戦も無観客試合で、開幕も延期…。野球からファンの方々が離れてしまうのが寂しいので」。自主練習終わりの選手にも企画の相談をして、協力を求めている。
練習中の撮影画像も球団スタッフならではの迫力がある。野手陣のスライディング練習では二塁ベースの真後ろに座り込んでカメラを構えたり、山岡や山本の遠投時には真横からスロー撮影でリリース位置まで、くっきりと映している。「撮影後に携帯がドロドロになるんですけど…。選手の迫力を伝えたいと思って。連写して一番格好いいシーンを切り抜いて(写真を)使ってます。だから、ボツになる写真の数もすごく多いんです」。細かな心遣いがファンの心を喜ばせる。
仁藤氏は06年ドラフト4位でオリックスに入団し10年に22歳で現役引退した。その後は先乗りスコアラーを3年、マネジャーを1年、さらに広報部、事業企画部宣伝グループを歴任。10年目を迎える裏方生活から学ぶものがある。「現在は商品部、ファンクラブ、イベント営業、チケット、飲食などの(球団)全部門がオンライン会議で『何かできることはないか』と考えています。積極的に部署の垣根なく仕事に取り組んでいるから、ヒントがたくさんもらえるんです」。インスタライブもその会議で出た提案。球団を代表し、新しいファンサービスを取りまとめている。【真柴健】
◆仁藤拓馬(にとう・たくま)1988年(昭63)7月13日生まれ、静岡・島田市出身。島田小3年で野球を始める。島田商から06年高校生ドラフト4巡目でオリックス入団。10年に現役を引退して球団職員。先乗りスコアラー、チームマネジャーなどを務め、昨年から事業企画部宣伝グループに所属。183センチ、80キロ。右投げ右打ち。