シーズン開幕へ確かな1歩を踏み出した。広島が21日、4月7日以来約1カ月半ぶりに1軍全選手が集まったチーム練習を行った。スタンドには応募で選ばれた125組340人のファンが見学。新型コロナウイルスの感染予防に細心の注意を払いながらも、先延ばしとなっているプロ野球開幕へ向けて着々と歩を進めている。
◇ ◇ ◇
球音とともに、笑顔が戻った。マツダスタジアムに、約1カ月半ぶりに1軍全選手が集まった。一部開放されたスタンドからはファンも見つめていた。練習前の円陣の中心で佐々岡監督は全選手に再出発の号令をかけた。「(最短開幕の)6月19日を目指して1日1日を大事に練習し、いいモチベーションを持って、いいパフォーマンスができるように合わせていこう」。約4時間の練習が終わっても、若手を中心に、居残りで1時間ほど振り込みが行われた。自主練習からチームとしての練習へ移行。開幕を目指し、大きな1歩を踏み出した。
グラウンド上の人数を50人以下にとどめ、トレーニングルームの使用人数も制限している。対面での会話やハイタッチなども禁止。徐々に調整の強度は上がっているものの、警戒心は緩めない。感染予防に細心の注意を払いながらプロとしての使命を果たそうとしている。指揮官は「医療従事者の方などいろんな影響を受ける方々に、勇気と元気を与えられるのがプロとしての使命だと思います。いい準備をしてやろうと(選手に伝えた)」と表情に覚悟がにじんだ。
待っている人たちもいる。この日、広島球団が広島市などと検討を進めてきた企画「マツダスタジアムを見に行こう」として、応募で選ばれたファン125組340人がスタンドで練習を見学した。自主登校中の小学6年生は所属する少年野球チームが活動停止中。「やっぱりプロ野球選手はすごい」とキラキラした瞳で放物線を描く白球を追っていた。
開幕を前にまずは内なる戦いが幕を開ける。指揮官は「まだまだ2軍で準備している投手、野手もいるので入れ替えも考えながら全体で競争してほしい」と競争意識をあおる。22日からは大瀬良らが打者を相手にした投球を再開する。今後も感染予防に努めながら、開幕への道筋を描いていく。【前原淳】