ビヨンド観戦スタイル/プロ野球の新様式を考える

見事勝利。缶ビールから焼酎に切り替え、友人とオンライン飲み会を開催して勝利の余韻を楽しむ

<ミライボール革命~プロ野球の新様式を考える>

プロ野球の2020年シーズンが19日、無観客で開幕する。新型コロナウイルスの感染状況を慎重に見極めながら段階的に観客を動員していくプランだが、完全終息、ワクチンの開発にはまだ時間を要する。コロナ禍の自粛の中から生まれた工夫や発想は新様式のヒントになる。「元に戻る」ではなく未来につながるニューノーマルへの挑戦を「ミライボール革命」と題し、未来へとつながるプロ野球の新様式を模索する。

1つのウイルスの発生で数カ月の間に行動、価値観が激変した。ソーシャルディスタンス、3密、おうち時間、休校、テレワーク…。世間で飛び交う“コロナ・ワード”が新しい生活様式への転換期を促した。80年以上の歴史を積み上げ国民的な文化として根付いたプロ野球も例外ではない。満員の球場が醸し出す高揚感はスポーツ観戦の醍醐味(だいごみ)だが当面は無観客として開幕する。

今後は段階的に観客を動員するプランだが、たとえ満員まで動員できたとしても第2波発生の防止対策を講じた観戦スタイルが求められる。プロ野球を「家族だんらんの象徴」と捉えるコンサートプロモーターのディスクガレージ中西氏はwithコロナのイベント開催において、ガイドライン見直しの必要性を挙げた。92年アルベールビル五輪スピードスケート500メートル銅メダリストの西武井上事業部長は継続と変化の柔軟性を意識。98年長野五輪前に登場したスラップスケートの教訓を思い返した。

12球団も特色を生かした創意工夫で新様式での観戦プランを次々と提案している。無観客でもファンとつながり、今後を見据えた新たな挑戦を続けていく意志がにじみ出る。「今まで」と「これから」。球団、球場、ファンにとどまらず、他業種、幅広い世代からの多角的な視点でニューノーマルを模索していきたい。【為田聡史】

<ビヨンド観戦スタイル>

(1)テレワークを終え、まずはお風呂で汗を流し、プレーボールを待つ

(2)リモート応援チケットを購入。または、友人とテレビ電話のオンラインをつなぎ、缶ビールで乾杯をして結束を高める

(3)夕飯がダイニングテーブルに並ぶ。テレビ、リモート観戦を楽しむ

(4)先制点が入り、興奮のあまり箸が止まる。缶ビールをもう1本。家族でハイタッチして喜びを分かち合う

(5)午後8時から娘のテレビ予約があり、テレビのリモコンを娘に譲りスマホでのインターネット中継に切り替える

(6)事前購入の応援チケット特典のメッセージボードが画面に映る。リモート観戦中の友人との話題に上がりネット上のファン掲示板をチェック。ファン同士で盛り上がる

(7)見事勝利。缶ビールから焼酎に切り替え、友人とオンライン飲み会を開催して勝利の余韻を楽しむ

(8)ハイテンションのまま次戦に向けた応援動画を撮影し応募する

(9)ヒーローのサイン入りボールの抽選結果に期待を膨らませて就寝する

(10)翌朝、朝食のトーストとコーヒーを手にスポーツ新聞で前夜の興奮を思い返す