阪神藤浪8回4失点初勝利逃すも「大きな収穫」監督

阪神対巨人 6回表巨人2死一、三塁、岡本に2点適時二塁打を浴び、悔しそうな表情を見せる藤浪(右)。手前は生還した坂本(撮影・前田充)

<阪神1-4巨人>◇5日◇甲子園

阪神藤浪晋太郎投手(26)が8回4安打4失点(自責1)で、またも今季初勝利を逃した。

立ち上がりの1、2回は150キロ前半の直球主体でパーフェクト投球。3回に四球から1点を失ったが、その後は立ち直って4、5回は再び3者凡退。「全体的に悪くは無かったです」。5回まで1失点と粘り、打線の援護を待っていた。

しかし、試練は6回だった。先頭の9番戸郷の打球が藤浪の前で高く跳ね、ショートバウンドでグラブに収まらず。自らの失策で出塁を許した。「一瞬迷った。結構跳ねたところを最初ツーバウンドで処理しようと思って、間に合わないなと思って中途半端に突っ込んだのが…。落ち着いてツーバウンドで取れば大丈夫だったプレーだったと思う。中途半端にしてしまったことが悔いが残ります」。その後2死一、三塁で、4番岡本にこの日最速の157キロ直球を痛打された。右翼フェンス直撃の2点適時二塁打を許し、続く大城にも左前へポテンヒットを許して4点目を献上した。

「(岡本への直球は)勝負にいっての球。真っすぐを狙っているのを分かっていて真っすぐを投げているので、それでファウルとらないといけないですし、そうしないとカウント作っていけない。向こうのスイングが上だった」。宿敵の主砲に浴びた一打を、藤浪は冷静に振り返った。

7、8回もスコアボードに0を並べただけに、6回の4点が重くのしかかった。8回の打席で福留に代打を送られて降板。1四球7三振で113球の力投だった。矢野監督は「投げるたびに自信も出てきている。ここまで来られたのは大きな収穫だと思うし、堂々と投げている」と及第点。「三度目の正直」でまたも実らなかった復活星。今度こそ、藤浪の笑顔が見たい。【只松憲】