1500安打達成の中日大島「終わるわけじゃない」

ヤクルト対中日 通算1500安打を達成した中日大島はボードを掲げる(撮影・山崎安昭)

<ヤクルト3-8中日>◇18日◇神宮

中日大島洋平外野手(34)が、通算1500安打を達成した。18日のヤクルト戦(神宮)の8回、大下からこの日2安打目の遊撃内野安打で、プロ11年目で節目に達した。13年目で到達した82年谷沢健一、00年立浪和義、10年井端弘和の球団最速記録を塗り替えた。今季2度目の3連勝と波に乗るチームで、ひときわ輝きを放った。

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プロ野球127人目の記録を、自慢の足でつかみ取った。8回先頭での第5打席、カウント1-1から、ヤクルト5番手大下の144キロのシュートを流し打ち。遊撃手エスコバーが捕球しジャンピングスローで送球した時には、一塁ベースを駆け抜けていた。達成記念のパネルを掲げながら、大島は控えめな笑顔を浮かべた。

「内野安打で達成して僕らしいかな、と思った。チームが勝てて、記録も達成できた。ダブルでうれしい」。

それでも1500安打は、大島にとっては通過点だ。「あまり意識しなかった。1年で何本打てるかを考えていた。1500は頭の片隅にあった、という感じ」とサラリ。見つめるのは、「1つの目標」と公言する500安打先にある名球会入りだ。「2000本打てれば、その次を目指したい」と続けた。

大学から社会人を経てプロ入りし、名球会入りした野手は、元ヤクルトの古田敦也氏、宮本慎也氏、元中日の和田一浩氏の3人だけ。1500安打は1364試合目でマークした。3人で最速だった和田氏の1362試合に2試合遅れただけ。レジェンド級のハイペースも大島の名球会入りへの思いを後押しする。

根尾、石川昂ら次世代の主軸候補生が入団した。「練習は次の日のためではなく、その先にある。すぐに結果を求めるのではなくて、3カ月先くらいにやっと生きてくると思ってやってきたから続けられている」と話す。名球会入りし、18年限りで引退した荒木内野守備走塁コーチから学んだ姿勢を、後輩たちに背中で伝える。

「1500で終わるわけじゃない。これからも続けたい」。今季は首位打者、最多安打、盗塁王の3タイトルを目標に掲げる。竜のヒットマンの歩みはこれからが本番だ。【伊東大介】

▼通算1500安打=大島(中日) 18日のヤクルト10回戦(神宮)の8回、大下から遊安打を放って達成。プロ野球127人目。初安打は10年3月27日の広島2回戦(ナゴヤドーム)でジオから。大島は11年目で達成。日本人選手では67年長嶋(巨人)らの10年が最速だが、中日では82年谷沢、00年立浪、10年井端の13年を抜く球団最速。