<虎ヲタ>
梅ちゃん目指せ、45年ぶり生え抜き3割捕手-。今シーズン前半戦で、まさに攻守の要としてチームを引っ張ったのが梅野隆太郎捕手(29)だ。
ディフェンス面で心身を酷使するこのポジションで、一流打者の証しともいえる大台の可能性は十分だ。一時は3割台半ばのハイアベレージを記録していたが、このところ打率はやや下降線。3割突破を懸けた、反攻の後半戦が始まる。【記録室・高野勲】
阪神の生え抜き捕手45年ぶり3人目の打率3割に向け、梅野にはぜひ巻き返してもらいたい。8月31日現在、チーム1位の打率2割8分8厘。7月11日には3割7分8厘にまで上がっていたが、このところ大台を割り込んできた。とはいえシーズンはちょうど半分の60試合を終えたばかり。チャンスはたっぷり残っている。
近年の阪神は「打てる捕手」という役割を、他球団からの移籍選手に頼ってきた。直近の捕手による打率3割は、城島健司の3割3厘。ソフトバンクで活躍した後メジャーへ渡り、日本球界への帰り新参だった。故障で活躍がこの1年だけだったことが惜しまれる。さかのぼると、中日からトレードで加わった現監督の矢野輝弘(現・燿大)は、2度にわたり3割を突破。優勝した03年には3割2分8厘でセ3位に食い込み、MVP候補に名が挙がった。79年にはクラウン(現・西武)から移籍したばかりの若菜嘉晴が、3割3厘を打った。
阪神を振り出しにプロ生活を始めた捕手の3割は、長い歴史の中で2人しかいない。1リーグ時代の土井垣武、そして75年の田淵幸一である。土井垣は戦後再開されたプロ野球で、阪神の正捕手に君臨。阪神での2度のほか、50年には移籍先の毎日(現・ロッテ)でも大台をクリアした。また田淵は、全盛期の王貞治(巨人)と本塁打争いでデッドヒートを展開。宿敵を抑え初のキングとなった75年に、打率も3割を突破した。これが球団生え抜き捕手では、直近の3割打者である。
梅野は現在184打数。シーズン120試合換算では368打数となる。この条件で3割に乗せるには、シーズン通算111安打が必要だ。残り試合も184打数と仮定すると、このうち58安打すればクリアできる。前半戦からわずか5安打上乗せすれば達成だ。
18、19年と2年連続ゴールデングラブ賞を獲得した虎の正捕手に、打撃の勲章も加わるか。ミットだけではなくバットも。9月からの梅野が楽しみだ。
※捕手以外の守備位置でも出場経験のある場合は、捕手としての出場が最多である選手が対象。成績はすべて、規定打席到達シーズンのみ
<主な巧打の捕手>
・野村克也(南海-ロッテ-西武)65年には捕手として3冠王という、空前絶後の偉業を成し遂げた。通算2901安打はプロ野球2位。
・古田敦也(ヤクルト)野村監督の指導を受け、非力と言われた打撃も進歩を遂げる。2年目の91年、落合博満(中日)と渡り合い首位打者に輝いた。捕手での8度の3割は史上最多。
・阿部慎之助(巨人)卓越したバットコントロールで一時代を築いた。通算2132安打は、巨人では王貞治、長嶋茂雄、川上哲治に続き球団4位に該当する。
・森友哉(西武)大阪桐蔭では阪神藤浪とバッテリーを組んだ。天才とも称される打撃が大きく花開き、19年首位打者を獲得。今季は2割5分8厘と低迷するが、ここから本領発揮か。
◆虎ヲタ~知ればアナタも人気者~ 阪神タイガースをデータから読み解く、新感覚の野球情報番組。ファン目線のトリビアなものや、日刊スポーツの記者が持ち込みで紹介するここだけの硬派なネタで、阪神を徹底分析する。増田英彦(ますだおかだ)関本賢太郎(阪神タイガースOB)高野勲(日刊スポーツ記者)がレギュラー出演。9月号は「過去の優勝シーズン」。放送予定はスカイAのホームページで。