日本ハム西川「はいつくばり」逆転負けの雪辱果たす

日本ハム対楽天 8回裏日本ハム2死一塁、西川は左前打を放つ(撮影・佐藤翔太)

<日本ハム4-0楽天>◇3日◇札幌ドーム

日本ハムのキャプテン・西川遥輝外野手(28)が、楽天15回戦(札幌ドーム)で、決勝の先制適時打を含む3安打2打点、1盗塁と大暴れした。9回の満塁機を併殺でつぶした前日2日のリベンジに成功。8月22日から3番に定着し、打率3割7分5厘、長打率5割で打線をけん引するスピードスターが、チームを勝率5割に引き戻した。

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4打数3安打2打点でヒーローになった西川は「昨日、満塁の場面で3人かえせなかったので、今日は3人かえすつもりで打席に立ちました」と言った。1回1死三塁、左中間を破る先制適時二塁打で、まず1人。3回1死三塁では、右翼線へ適時三塁打で、2人目の走者をかえした。8回には左前打で出塁し二盗を決めたが、「あと1人、返さないといけなかったのに…」と、2打点の活躍も悔しがった。

前日2日楽天戦は、9回に守護神の秋吉がつかまり逆転負け。西川は2点を追う9回1死満塁、サヨナラの好機で一ゴロ併殺打に倒れた。「はいつくばりながら家に帰りました。眠れませんでした、強風で」。窓の外だけでなく、心の中も大荒れだった。「控え選手がつないで作ってくれたチャンス。3番の起用に応えられなかったのが悔しいし、情けなかった」と敗戦の責任を背負った。

自打球で負傷した近藤に代わって、8月22日楽天戦から3番に座る。近藤のスタメン復帰後も不動。「コンちゃんのしんどさが、身に染みている。(走者がいる状況が多く)投手が常にクイックだし、得点圏が多くてプレッシャーもかかる」。それでも、3番での打率は3割7分5厘で長打率5割。1番の打率2割8分3厘、出塁率4割1分9厘を上回っている。

一夜明けてリベンジには成功したものの「野球は引きずりながらやるスポーツ。そんな簡単には切り替えられない」。まだ、勝率5割。晴れない悔しさは、きっと上位猛追への推進力になるはずだ。【中島宙恵】