阪神大山、自己最多15号65試合目 昨季の2倍超

7回裏阪神無死、15号ソロを放った大山は筒井コーチとハイタッチ(撮影・上山淳一)

<阪神2-11巨人>◇5日◇甲子園

阪神大山悠輔内野手(25)がシーズン自己最多となる15号ソロを放ち、ゼロ行進のスコアボードに風穴をあけた。

7回1死。ここまで散発3安打無得点に抑えられていた巨人の先発今村をようやく捉えた。外角143キロ直球を逆方向へはじき返すと、打球はそのまま右中間席最前列に飛び込んだ。「こういう試合展開になりましたけど、0点で終わるのと1点取るのとでは違うと思うので。そういう意味で打つことができて良かったです」。完封ペースだった今村に一矢報いた。

今季4度目の2試合連発で、シーズン65試合目にして早くもキャリアハイ。入団した17年の7本から11本、14本と年々数字を伸ばし、進化を続けている。昨季は全143試合に出場しての14本で、今季は61試合出場で15本。2倍超のペースで量産し、チームメートのサンズと並んでリーグ2位につけている。データ上では逆方向が増加。昨季は2本だった右中間から右へのアーチが、今季はすでに4本。配球を絞って積極的にフルスイングすることで、打球方向に関係なく力強い当たりを飛ばしている。

昨季は開幕4番を務めたが、今季はマルテとの三塁争いに敗れて開幕はベンチスタートとなった。7月上旬にマルテが負傷離脱して出場機会が回ってくると、悔しさをぶつけるように快音を響かせている。

ただ、大山は普段から自身の記録よりもチームの勝利を最優先に考える。「1試合、1試合」と全力プレーの積み重ねが、結果として最後に現れる。9点差の大敗にも、次戦につながる唯一の得点。「明日やり返せるようにするだけです」。首位巨人に対してファイティングポーズを見せつける一振りとなった。【奥田隼人】