「田沢ルール」撤廃決定、自らもドラフト指名対象に

新日本石油ENEOS(現ENEOS)からレッドソックスを経て埼玉でプレーする田沢純一

日本野球機構(NPB)は7日、臨時の代表者会議を開き、田沢ルールの撤廃を決めた。

井原敦事務局長は「協約改定委員会の報告があった。2008年10月8日の実行委員会の申し合わせ(田沢ルール)。この申し合わせについて撤廃を決定した。新たに同様のルールをつくらないことも決定した」と話した。これにより、10月26日に開かれるドラフト会議で、田沢も選択可能な対象となった。

◆田沢ルール ドラフト対象のアマチュア選手が国内球団を経由せずに海外でプレーした場合、その選手が帰国しても高校出身選手は3年、大学・社会人出身選手は2年、ドラフト指名が凍結されるという12球団の申し合わせ事項。08年に田沢純一がドラフト前に米挑戦を表明し、新日本石油ENEOS(現ENEOS)からレッドソックス入りしたのをきっかけに制限が設けられたため、通称として呼ばれる。

◆田沢ルール決定までの経緯 08年9月、ドラフト1位候補だった田沢がメジャーに挑戦したい意向を表明。指名回避を求める書面をFAXで各球団に送付したことに端を発した。プロアマ連絡会議が開かれるなど何度も協議が重ねられた。田沢の意向を認めることで、メジャー挑戦を目指すアマ選手が続出することを危惧したプロ側が、制裁要素を含む申し合わせを08年10月6日の実行委員会で12球団一致で採択した。