7点リードでも勝てない…阪神痛恨ドローで首位9差

DeNA対阪神 引き分けに終わりタッチを交わす阪神ナイン(撮影・滝沢徹郎)

<DeNA7-7阪神>◇8日◇横浜

痛恨のドローだ。阪神が7点リードでも勝てなかった。6回に先発オネルキ・ガルシア投手(31)がまさかの暗転で6失点。2番手能見も流れを止められず、一気に同点に追いつかれた。2連敗の後の引き分けで3試合白星なし。首位巨人と今季最大の9ゲーム差に開き、10日にも自力優勝の可能性が消滅する。

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徒労感が残った。延長10回。2イニング目のマウンドに上がった守護神スアレスが、代打乙坂を二ゴロに仕留めてゲームセット。笑顔なき今季4度目の引き分けは、7点差を追いつかれる痛恨のドローだった。勝てなかったのか? 負けなかったのか? 引き分けの捉え方を問われた矢野監督は、自身を奮い立たすように話した。

「両方あるわ。両方。勝たなアカン試合やし。逆を言えば、そういうふうに(負けなかったと)受け止めてやっていく。前を向いてやっていかないといけないし」

「楽勝ムード」だったゲームが暗転したのは6回だ。初回からゼロを並べていた左腕ガルシアが突如、崩れた。先頭梶谷を四球で歩かせると、続く大和の打席で暴投が絡み、二塁進塁を許す。さらに大和にも四球を与え、続くソトに左翼線に運ばれる適時二塁打。4番佐野には右越え3ランを浴びるなど、つるべ打ち状態。「野手の方にたくさんの援護をしてもらったのに、こういった展開にしてしまい申し訳ない」と、1アウトも取れずにKOされた。

代わったベテラン能見も代打中井にタイムリーを浴びるなど勢いを止められない。ついには勝ちパターンの3番手岩貞を投入したが、捕手坂本の捕逸なども絡んで2死二、三塁から大和の中前適時打で7点目を献上。矢野監督は「ほんと、ブルペンには申し訳ない。ガルシアも取られた方があまりにも悪いから」と助っ人左腕の変わり身を嘆いた。

阪神は13年8月20日DeNA戦で7点差逆転負けを食らっている。その7年前の06年8月18日ヤクルト戦(神宮)にも7点差をひっくり返される惨敗を喫した。今回は逆転されることはなかったが、背番号77を背負うガルシアの大乱調で7点差リードを守れず。決してありがたくない「魔の7年周期」でアンラッキー7がそろった。

3試合白星がなく、首位巨人とのゲーム差は9ゲーム差まで広がった。最短10日にも自力Vが消滅する。矢野監督は「何とも言いようがない試合をしてしまったんでね。言いようがないです」と言葉が見つからない。悔しすぎるドローで、猛虎が窮地に立たされた。【桝井聡】

▼阪神は7点差を追いつかれドロー。7点差以上を守れず勝てなかったのは、13年8月20日、横浜でのDeNA戦で7-0から8-9で敗れて以来、7年ぶり。阪神はこの試合3回、鳥谷、新井貴、福留がいずれも適時二塁打を放つなど打者12人の猛攻で一挙7点。ところがDeNAモーガン、後藤、梶谷の本塁打攻勢に追い上げられ、最後は中村紀のサヨナラ安打に屈した。

▼阪神はさらに7年前の06年8月18日ヤクルト戦(神宮)にも、7点差を守れず負けている。3回表までに、金本の3ランなどで9-2と大量リード。ここから差を詰められ、7回に3四死球と4安打で6失点し逆転された。9回に追いついたものの、その裏ウィリアムスが4個の四球で押し出し。11-12のサヨナラ負けだった。