巨人岡本今季初2発、初球を左右へ「シフト」無関係

巨人対ヤクルト 7回裏巨人1死、勝ち越しのソロ本塁打を放つ岡本(撮影・たえ見朱実)

<巨人5-4ヤクルト>◇12日◇東京ドーム

大好物の初球をほおばった。4-4で迎えた7回1死。巨人岡本和真内野手(24)が初球を捉え、左翼スタンドへ決勝の21号ソロを放り込んだ。二塁手が二塁べース後方に立ち二、三塁間に3人が配置された「岡本シフト」もお構いなし。初回に右翼スタンドへ運んだリーグ最速の20号3ランも1球目だった。主砲の今季初の1戦2発で、チームは6連勝。最短で15日にも優勝マジック「37」か「38」が点灯する。

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白球は“早熟”がいい。4-4で迎えた7回1死。岡本が、初球にかぶりつく。甘~く入ったカーブをすくい上げた。カーブへの意識は「特にはなかったですけど、たまたまです」。打ち頃のボールが来たら、初球からでも飲み込むだけ。打席に入り、バットを構えてから左翼スタンドへ着弾させるまで、日刊スポーツ調べで「9・23」秒。ヤクルト内野陣は、二塁ベース後方に二塁手を配し二、三塁間に3人を並べる「岡本シフト」で封じようとしたが、“セ界”の本塁打王は、あっという間に、ごちそうをたいらげた。

東京ドームの食堂に置いてある好物のメロンについては「硬いので、ちゃんと熟したものにしてください」とリクエストした2代目若大将。だが、白球は“熟す”前でも大好物だ。カウント別に比較すると、0-0の初球を一番打っており、打率4割5分9厘、6本塁打。逆に“完熟”のフルカウントでは、打率はワースト2位の1割3分8厘(ワーストは2ストライクからの3球目で1割)で本塁打はゼロ。本人は初球について「特に意識はないです。反応して、甘かったので」。

“芳醇(ほうじゅん)”な香りをかぎ分け、食してしまうだけ。初回もそうだった。1死一、二塁。初球はカットボール。真ん中高めの甘いコースならば、バットは自然と出る。逆方向の右翼スタンドへ、リーグ最速の20号をぶち込んだ。今季初の1試合2発も「特には何も考えず、1試合1試合しっかり打てるように」。原監督は「いろんな状況、読みとか当たったというか、タイミングがあったということではないでしょうかね。彼もまだ若いしね、当然進化していっていると思います」とさらなる飛躍に期待した。研ぎ澄まされた“嗅覚”のもと、本塁打だけではなく、60打点でもリーグトップ。「勝負の秋」「食欲の秋」へと進むペナントレース。4番の腹は、まだまだ満たされない。【栗田尚樹】