巨人無双の7連勝“航海”後押しする3つのポイント

巨人対ヤクルト 引き分けを挟んで7連勝し笑顔を見せる巨人原監督(撮影・たえ見朱実)

9月に入り“ジャイアンツタイム”は、無双の強さをしるす。巨人が怒濤(どとう)の7連勝で、13連戦(1試合中止)を10勝1敗1分けで終えた。原辰徳監督(62)は「妙な逆転負けとかそういうゲームがない。非常におだやかな凪のように進む」とうなずいた。3つのポイントが、巨人の“航海”を後押しする。

<1>「サカ・マル・オカ」の復調

この日の決勝弾は丸が4回に放った15号2ランだった。6月は打率1割台と苦しんだが、9月はここまで2割8分9厘、2本塁打。ヒーローインタビューでは「岡本さんの打撃を手本にしてやっています」と笑いを誘ったが、岡本も刺激を受ける。8月まで2カ月連続で打率2割台が、9月は3割1分、3本塁打。坂本にいたっては3カ月連続で2割台だった打率が、今月は3割3分3厘。本塁打も「5」と止まらない。

<2>盤石の投手陣

8月の先発陣は菅野、戸郷がともにチームトップの4勝を挙げる一方で、他は1勝が2人のみ。しかし9月は違う。この日先発したメルセデスは2勝目を挙げ、9月の先発陣の防御率はリーグ1位の2・23と安定感を増す。リリーフ陣は13連戦中は3連投を回避。原監督は「特殊な日程、特殊なスタートですから」。今月だけで鍵谷は2勝、中川にも勝ちが付くなど、9月の救援防御率は阪神に次ぐリーグ2位の2・30。先発と支え合っている。

<3>マネジメント

前日のナイターからデーゲームで迎えたこの日は、試合前の全体練習を行わなかった。打撃ケージも片付け、調整は各自に任せた。原監督は「ユニホームも着ても着なくてもという、とにかく2時にプレーボール。それにコンディションをつくってやってくれというところ。SHOW&GO(ショーアンドゴー)」。メジャーで用いられる調整法を取り入れ、過密日程を乗り切った。

気付けば貯金は23。15日にも優勝マジックが点灯する。今度は9連戦に入るが、“ジャイアンツタイム”は、とどまることを知らない。【栗田尚樹】