オリックス山岡「迷惑をかけた」待望の今季初勝利

オリックス対西武 今シーズン初勝利の山岡(左)と1号本塁打のモヤは笑顔で「1」ポーズ(撮影・前岡正明)

<オリックス8-2西武>◇18日◇京セラドーム大阪

待望の今季初勝利に、オリックス山岡泰輔投手(24)は頭を下げた。

「やっと勝てたという感じですね。(投球内容が)本当によくなくて…。野手のみなさんに感謝しかありません」

試合前のブルペンでも「ボールが浮いていて、どうやって抑えようかなと」と話すように制球に苦しんだ。6回までに8安打を浴びたが、磨いた投球術で2失点にまとめ、ゲームを作った。

「やっぱり、ケガはしない方がいいなと思いました…」。開幕直後の6月26日ロッテ戦で3球を投じて緊急降板。左脇腹を痛めて戦線離脱した。プロに入って初めてボールを投げることができなかった。「チームに帰ってくるのが遅かった。その部分で迷惑をかけた」。開幕から約3カ月が過ぎ、リーグ開幕投手で最遅の今季初勝利となった。

自然体で生きる。「試合中のマウンドで考えたって、何も変わらない。調整ですべてが決まる。だから、やっておきたいことは全部やっておく」。準備は入念に重ねる。試合前には「リハーサル」で本拠地のマウンドを確認。プレートから本塁方向に左足を踏み出して、着地足を定める。時折、グラウンドキーパーと話し込む。そんな微調整もエースとしての自覚だ。

普段通りを心がける。真っ白なプレートに、右手人さし指で「信」と刻み、そっと3秒ほど手を当てる。ルーティンを崩すことなく復活のマウンドへ。「これから全部、勝つつもりで投げます」。苦渋を味わったエースが帰ってきた。【真柴健】