ソフトバンク必勝リレー崩壊、嘉弥真もモイネロも…

西武対ソフトバンク 8回裏西武の攻撃を終え、首をかしげベンチに戻るモイネロ(撮影・河田真司)

<西武4-3ソフトバンク>◇7日◇メットライフドーム

ソフトバンク自慢のリリーフ陣が打たれ、西武にまさかの逆転負けを食らった。1点リードの7回に嘉弥真新也投手(30)が同点にされると、セットアッパーのリバン・モイネロ投手(24)が8回に勝ち越しを許した。ともに無失点投球が続いていたが、8月以来の失点が敗戦につながった。勝った2位ロッテとのゲーム差は1に縮まった。9日からは直接対決3連戦(ペイペイドーム)があり、踏ん張りどころだ。

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必勝の流れが崩れた。ソフトバンクは柳田の2ランなどで先行し、1点リードの7回から「勝ちパターン」をつぎ込んだ。まずはサブマリン高橋礼が右打者の木村を三振に斬ると、代打森に左腕の嘉弥真をぶつけた。だが、いつものシナリオが狂った。

嘉弥真は森に四球の後、源田にも四球。2死一、二塁から栗山の中前打が適時打となり、同点とされた。嘉弥真の失点は8月20日ロッテ戦(ZOZOマリンスタジアム)以来。左打者に絶対的な強さを見せてきた左キラーが、左打者にやられてしまった。

同点の8回にはセットアッパーのモイネロを投入した。西武戦には今季ここまで8戦に登板し、1点も許していなかった。残りの攻撃で勝ちをつかむために、絶対的な信頼を持って送り出していた。だが1死から山川に左越え二塁打。2死三塁から木村に左中間を破られ、これが決勝点になった。モイネロは8月4日楽天戦(楽天生命パーク宮城)以来、22試合ぶりの失点で2敗目を喫した。

ともに防御率1点台で、ここまでブルペンを支えてきている2人が打たれた。まさかの形で白星がスルリと逃げ、チームは連敗を喫した。工藤監督はモイネロについて「チームとして信用して使っていますので。彼が打たれればしょうがないという風に思っています」とかばった。

2位ロッテが勝ち、ゲーム差は1に縮まった。9日からはペイペイドームで直接対決3連戦が待つ。連敗したまま福岡に戻るわけにはいかない。指揮官は投手陣に向けて「点を取られている原因は、ある程度わかっている。勝負していくことが大事。打たれた後に臆することなく勝負にいくことが、何より光が見えてくるのかなと思う」と奮起を期待。8日の必勝を誓った。【山本大地】

▽ソフトバンク杉山(2番手で3回2/3を2安打5奪三振1失点)「どんな状況でも自分の投球をして、0点で抑えることだけを考えてマウンドに上がりました。ホームランを打たれたボールは完全に失投。反省します」

▽ソフトバンク岩崎(7月8日楽天戦以来の1軍登板でメヒアを空振り三振)「打者1人でしたが、あの場面で抑えられたのは良かった。残り試合は少ないけど、また明日からやるだけです」

▽ソフトバンク・グラシアル(3回に右翼フェンス直撃の適時打)「コースに逆らわず、しっかり振り抜けました。いい流れではなかったけど、2アウトから追加点になってくれて良かった」