阪神揚塩球団社長が辞任「迷惑かけた」感染騒動引責

辞任会見を行った阪神揚塩球団社長(代表撮影)

プロ野球阪神の揚塩健治球団社長が9日、兵庫・西宮市内の球団事務所で会見を行い、9月末に複数の選手が新型コロナウイルスに感染するなどした一連の騒動の責任を取って今秋に辞任する意向を表明した。

揚塩社長は会見の冒頭で「このたびはコロナの罹患(りかん)において10名の選手の入れ替えをして戦わざるを得なくなり、ファンのみなさまには大変ご心配、ご迷惑をおかけしましたことを深くおわび申し上げます。また、NPB、対戦相手チーム、そして保健所をはじめ、関係機関のみなさま方にも、大変ご迷惑をおかけしましたことをあらためておわび申し上げます」と謝罪した。

続けて「3月に続いて今回2度にわたって球界全体にご迷惑をかけた事実は否めません。着任以来、いろいろな混乱を招いた球団内の最終的な責任者は私でございます。私の一存ではございますが、今シーズンのシーズン終了をもって、社長を辞することを(藤原)オーナーに申し入れ、承諾をいただきました」と語った。

さらに「1日も早い混乱の収拾を願い、本日このような発表をさせていただくことになりました。チームは戦っている最中ではございますが、私なりのけじめの付け方としてご理解いただければ、と思います。申し訳ございませんでした」と話した。

阪神では9月25日に浜地真澄投手(22)糸原健斗内野手(27)陽川尚将内野手(29)岩貞祐太投手(29)馬場皐輔投手(25)の5選手と1軍チームスタッフ2人の計7人の感染を発表。それとともに管轄の保健所から岩崎優投手(29)小川一平投手(23)が濃厚接触者と認定され、福留孝介外野手(43)木浪聖也内野手(26)江越大賀外野手(27)小林慶祐投手(27)の4選手は球団独自で濃厚接触者扱いとした。その後、さらにスタッフ2人も感染が確認されていた。

球団は感染拡大状況などを考慮し、広島と名古屋への遠征では指定日に限り、球団関係者や家族との外食を許可していた。人数も4人まで、個室限定で2時間程度、マスク必着、同ポジション禁止など制約を付けていた。しかし、9月唯一の指定日だった19日に名古屋市内の飲食店を貸し切っていた糸原、福留らは計8人で会食。球団の内規を破ったことが問題視され、球団は対象者について厳正に対処するとしていた。

また、阪神では3月下旬に3選手の感染が発覚し、その際には外部の人を含めた大人数での会食が問題視され、夏には緊急事態宣言下の5月に一部選手が不要な遠出をしていたことが報じられていた。

9月のコロナ感染拡大が辞任の理由かと問われ、揚塩社長は「コロナに感染したことだけをもって辞任するわけではございません。コロナは感染予防していても感染するリスクは、やはりあります。先ほど申し上げましたように、着任以来いろいろな、1つ1つの事案を今ここでは申し上げませんが、そういった混乱を招いたこと、これは球団内の最終責任者は私でございますので、そういったことを踏まえ、今回私の一存ではございますが、シーズン終了をもって退任することとさせていただきました」と説明した。