中日1位高橋「憧れのすべて」ドラゴンズジュニア縁

中日から1位指名を受けポーズを決める中京大中京・高橋(撮影・森本幸一)

<プロ野球ドラフト会議>◇26日

中日が26日、ドラフト1位で地元愛知・中京大中京の154キロ右腕・高橋宏斗投手(3年)を一本釣りした。高橋は名古屋市内の同校で中継を見守った。

「小さい頃からの多くの憧れが詰まった球団に指名されたことはすごくうれしく思います。ドラフト1位に挙がる選手のなかに自分が入れたのは、すごくうれしく思います。一番はホッとしたという気持ちがありました」

高橋には、幼い頃からドラゴンズブルーの血が流れている。尾張旭市出身。小学6年時には、ドラゴンズジュニアに選ばれた縁もある。プロ入りを表明した6日には「小さいころから見て育った。育ててくれたのはドラゴンズ。憧れのすべてがつまっている」と胸中を明かした。中日のユニホームに触れて育ってきた。

高校時代は「世代NO・1」にこだわってきた。この日も言う。「やるからには自分が一番をとりたいとずっと思っていた。チームとしては神宮制覇を目標。自分としても全国のトップに立ちたい。自然とそういう目標になりました。世代NO・1投手と言われるからには、周りがなんと言おうと、その人の名前を挙げるのは世代NO・1投手。現段階で自分以外にも中森投手や小林投手、多くの人の名前が挙がる。圧倒的な力をつけていかないといけない」と語気を強めた。

目標は、西武松坂に代表される「松坂世代」のような称号だ。プロでは「高橋世代」を目指す。「まだ自分は到達していない。松坂投手がその世代のNO・1投手だと思う。それくらいの力をつけてからこその世代のNO・1投手。そういう力を自分もつけたい」と続けた。

プロへの道は紆余(うよ)曲折だった。当初は大学進学を希望。慶大の環境情報学部を受験したが、6日に不合格の通知が届いた。中日も地元スターのプロ志望への進路変更で急きょ方針転換。前日25日に指名を公言していた。

力量はすでに証明している。8月の甲子園交流試合智弁学園(奈良)戦は10回3失点完投。11奪三振で、9回に153キロを計測するなど馬力も十分。重量感のある球質も天下一品だ。1年目から1軍での活躍を期待される。中日は18年の大阪桐蔭・根尾、19年の東邦・石川昂に続き3年連続で地元出身の高校生選手を1位指名。与田ドラゴンズに前途有望な「金の卵」が加わる。

就任から2年連続でクジを引いてきた与田剛監督は「抽選をしなくて済んでホッとしている。脱力感がある。これまでと雲泥の差」と話した。高橋の魅力については、「エース候補生としてポテンシャルが高い。早い段階から1軍レベルに上がれる投手。焦らせたくないが、1軍まで長くかからないと思う」と続けた。