大野雄大に4年12億円用意、流出阻止へ中日一丸

中日大野雄大(2020年10月22日)

中日がエース大野雄大投手(32)のFA流出を本社、球団一丸となって全力阻止することが30日、分かった。球団は今季国内FA権を取得した大野雄の残留に向けて異例の4年契約、総額12億円プラス出来高払いを用意した。V奪回へ最大級の誠意で交渉に臨む。

昨季はFA権取得をにらみ、複数年契約も提示。大野雄が単年契約1億3000万円を選択した経緯があるが、前年を大幅に上回る条件を提示する。今季はコロナ禍による無観客試合や入場制限などにより球団経営は厳しい環境にある。それでも球団幹部は「新型コロナで厳しい経営状態だが本社と球団は一体。(中日新聞本社に資金面の協力を)お願いしたい。球団が出来る最大限の誠意は見せていかないといけない」と明かした。

大野雄は29日の阪神戦(甲子園)で連続イニング無失点が45回でストップ。6回3失点で6敗目を喫したものの、防御率1・91、141奪三振はともにリーグ1位を維持。5年ぶりの2ケタ10勝もすでにマークし、10完投6完封で初の沢村賞受賞も視野に入れている。同幹部は「今年は去年以上の素晴らしい活躍をしてくれた。最優秀防御率、奪三振のタイトルも見えている。(巨人)菅野くんと遜色ない実力だ。引き留めは当然」と続けた。

今季の中日は大野雄を中心に福谷、勝野、ロドリゲスらで先発ローテーションを形成。福、祖父江、R・マルティネスによる勝利の方程式も確立させ、8年ぶりのAクラスを狙える位置にある。来季は与田監督就任3年目で球団創立85周年にも当たるため、V奪回は至上命令。エース流出阻止へ中日が全力を尽くす。(金額は推定)

 

◆大野雄大(おおの・ゆうだい)1988年(昭63)9月26日、京都府生まれ。京都外大西では2年夏、3年春に甲子園出場(2年夏は登板なし)。佛教大に進み、10年ドラフト1位で中日入団。15年プレミア12で侍ジャパン選出。19年9月14日の阪神戦でノーヒットノーラン達成。同年防御率のタイトルを獲得した。183センチ、83キロ。左投げ左打ち。