西武2位浮上 増田が豊田コーチ超え、球団新136S

西武対日本ハム お立ち台で笑顔を見せる西武の増田(左)と外崎(撮影・足立雅史)

<西武5-4日本ハム>◇3日◇メットライフドーム

西武が球団史に残る“穏やかなるクローザー”の働きでCS出場圏内の2位に浮上した。

日本ハムとの接戦は、1点リードの9回を増田達至投手(32)が3者凡退に打ち取って勝利。リーグトップを快走する33セーブ目で通算136セーブは豊田現1軍投手コーチを抜いて球団記録となった。2位ロッテが敗れ、勝敗、引き分け数で並び、同率2位タイ。残り5試合で4位楽天も含めたデッドヒートになる。

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アドレナリンがあふれ出ている、ようには見えない。点差も、記録も、取り巻く順位争いの喧噪(けんそう)も、増田には届いていないように見える。9回。西川、中田、大田の濃い中軸。150キロ前後の直球と鋭角なスライダーの2種を伸びやかに投げ分けた。中田はオール直球勝負で、最後は最速151キロをインハイに配して空を切らせた。大田を右飛に打ち取ると、穏やかに笑って相棒の7歳下の森にペコリと頭を下げた。

守護神がまとう威圧感を、そぶりでは発さない。「まぁ、いつも通りマウンドに上がりました」「豊田コーチと記録の話? いや、特にしていないです」「セーブ王のタイトル? え~、毎日意識せずにマウンドに上がっています」。お立ち台では平たんな言葉を並べ、球団史を塗り替える記録にも抑揚は皆無だった。

「本当、自分1人で達成できた記録だと思っていないんで、皆さんに感謝したい」。入団から3年間はセットアッパーが定位置。同期の高橋朋が守護神を務めていた。抑えて順当、負ければ責任を担う。試合開始時はマッサージを受けながら寝るほどスイッチを切った姿も知っている。4年目からクローザーを任され、傍らで見てきた経験が生きた。「僕も初めてそのポジションをやらせてもらったときに本当バタバタしたりとか、自分の間合いで投げられなかったのを今でも覚えている。(高橋朋は)しゃあない、次という感じだった」。心の持ちようは引き継いだ。

故障と闘った盟友は今季限りで引退。10月30日に2軍戦で106キロを投げ、マウンドを去った。「自分にとってはマスは特別ですね。マスが自分のこと、どう思っているか分からないですけど」。特別に決まっている。増田は「ご飯行こう、ご飯行こうってずっと誘われています。落ち着いたら行きたいとは思っています」と答えた。話したいことが山ほどある。残り5試合を締めまくり、語り合いたい。【広重竜太郎】

▼増田がリーグトップの33セーブ目を挙げた。通算では136セーブとなり、豊田の135セーブを抜いて通算セーブの球団新記録をつくった。今季の増田はまだ黒星がない。過去にシーズン30セーブ以上で「無敗」は97年佐々木(横浜)38セーブ、09年武田久(日本ハム)34セーブの2人だけ。増田がこのまま無敗で終われば史上3人目の快挙となる。