阪神井上が会心弾、来春1軍キャンプ目指し技磨く

フェニックス・リーグ阪神対楽天 6回裏阪神無死、井上は左越え本塁打を放つ(撮影・前岡正明)

<みやざきフェニックス・リーグ:阪神3-1楽天>◇17日◇サンマリンスタジアム宮崎

初の1軍キャンプへ、アピール弾! みやざきフェニックス・リーグに参加中の阪神井上広大外野手(19)が、17日の楽天戦(サンマリンスタジアム宮崎)で同リーグ初アーチを放った。雨天による一時中断直後の1発は、左翼スタンド中段への大アーチ。ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21)が外野起用となれば、ポジション争いはさらに激化。期待の高卒スラッガーも存在感を示した。

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集中力と対応力が詰まった1発だった。6回、井上は先頭で打席に立つも、2ボールから雨が強まり一時中断。この3分間を、無駄にしなかった。「日高さん(打撃兼分析コーチ)に、足を下ろしていく時に一気に着いてないのが、バットが出てくる妨げになってるんじゃないかなと言われました」。左足がスムーズに着地していないことを指摘され、すぐに修正。再開直後に、楽天渡辺佑の136キロ直球をタイミングよく振り抜いた。打球は左翼スタンド中段へ一直線。リーグ8戦目で待望の初アーチとなった。

「準備を早くして、しっかりと1球で仕留められたのは良かったかなと思います」。15日まで全7戦に4番で先発するも、24打数4安打と苦戦。それでも目先の結果には一喜一憂しない。大きな目標があるからだ。「来年の春、(1軍)キャンプで呼ばれるようにやっていきたいと思っているので、このフェニックスの期間を大事にしてやっていきたいなと思ってます」。目指すのは来年2月の沖縄だ。

高卒1年目の今季は10月中旬に1軍昇格し、プロ初安打初タイムリーとなる二塁打を記録。ウエスタン・リーグでは4番の英才教育を受け、2位タイの9本塁打、3位の36打点を挙げた。今リーグではノーステップ打法を試したり、タイミングの取り方を試行錯誤。技術の底上げに取り組んでいる。

今年のドラフト1位で指名された近大・佐藤輝は内野手登録ながら、外野手として起用される可能性もある。佐藤への意識を聞かれた井上は「やっぱり意識ばかりして勝負すると、自分の結果にもつながってこないと思うので、まずは自分でやるべきことをやって」と、まずは自らのレベルアップに集中する。それでも2人の大砲候補が沖縄でしのぎを削れば、虎党の胸は躍る。

井上は7回にも右前打を放ち、2打数2安打2四球。守備でも6回に武藤の右翼への飛球を捕ると、飛び出した一塁走者を見逃さず、連係プレーで刺した。大物ルーキーに負けじと、宮崎で技を磨く。【磯綾乃】

阪神平田2軍監督 久しぶりに会心のホームランじゃない? もう、やっぱり来季のため、今後のために今やってるんで。公式戦じゃないんで、それをしっかり、1日1日切り替えてやれよ、って話は今日もしたんだけどね。