沢村賞の中日大野雄「今日だけはほめて」今季の足跡

沢村賞としたためた色紙を手にする大野雄(撮影・前岡正明)

【20年の大野雄】

▼1月5日 地元の京都・大文字山で始動。「(開幕投手は)目指さないといけない。勝ったら天国、負ければ地獄。2つとも経験しているけど、それでもやりたい」

▼2月12日 与田監督から開幕投手通達。「監督室に呼ばれて開幕を任せた、と伝えられました。緊張します」

▼6月19日 ヤクルト戦(神宮)で3度目開幕投手も、2本塁打を浴びるなど4回9安打6失点KO。「何とか粘りたかったが…。2本目の本塁打は防がなければいけなかった」

▼同26日 本拠地開幕の広島戦で先発も6回11安打4失点で初黒星。「先に点はやれない投球をしたかった。リードされた状態で降りて、申し訳ない」

▼7月31日 今季7試合目の登板のヤクルト戦(ナゴヤドーム)で9回5安打3失点で完投で初勝利。「(1勝目が)遅すぎますよね。7戦で1勝3敗。借金が2つもある。うれしいけど、喜べないですね」。

▼同日 国内FA権取得。「先のことについてはまだ考えていない。とにかくシーズンに集中したい」

▼8月16日 巨人戦(東京ドーム)で球団初の3戦連続完投勝利&2ケタ奪三振。「真っすぐが良かった。甘めでもファウルが取れた。逆球もあったが、強い球が投げられた」

▼9月1日 広島戦(ナゴヤドーム)で球団タイ記録の5試合連続完投勝利。同日に阪神藤川が引退会見。「藤川さんに憧れていた。打者が分かっていても打てない真っすぐを投げていた。大学3年くらいからずっと練習してきました」

▼9月8日 巨人戦(ナゴヤドーム)で菅野と投げ合い、9回2失点で4敗目。「いい投手は先に点を取られへんな、と。そういうことを感じました」

▼9月30日 阪神戦(甲子園)で月間3完封達成。中日では89年9月の西本以来31年ぶり。2安打以下の完封月間3度は、2リーグ制後初。「残り試合1つも落とさないつもりでやる。全部勝つつもりでやる。借金なしのAクラスにいかないと」

▼10月7日 5年ぶり月間MVP受賞当日にヤクルト戦(ナゴヤドーム)で6回無失点で8勝目、防御率、奪三振のタイトル争いも激烈。「残り先発なら5試合ぐらいある。何が起こるかわからない。最後まで諦めず頑張りたい」

▼10月22日 R・マルティネス故障リタイア禍の中、DeNA戦(ナゴヤドーム)完封で10勝目。45回連続イニング無失点で中日球団新記録。左腕では64回1/3の金田(国鉄)のプロ野球記録に次ぐ2位。中継ぎを休ませる結果になった完投勝利に「今日だけはほめて下さい!」

▼11月6日 本拠地最終戦での試合後表彰イベントでドッキリ発言。「(来季は)どこのユニホームを着てるかわからないですけど。ウソです。すいません」

 

▼11月11日 今季最終の広島戦(マツダスタジアム)の試合前に、中日残留を公表。「ドラゴンズで優勝したい。決めるのが早過ぎるかもしれないが、投げる度にどんどん(残留の)気持ちは強くなった。チーム編成のこともある。早めに決めれば、球団も助かる」