阪神川原が5回無失点、同郷OB下柳氏の流儀を継承

フェニックスリーグのロッテ戦に先発し、5回無失点と好投した川原(撮影・只松憲)

<みやざきフェニックス・リーグ:阪神1-1ロッテ>◇23日◇宮崎市清武SOKKENスタジアム

高卒2年目左腕の阪神川原陸投手(19)がフェニックスリーグのロッテ戦に先発し、5回3安打無失点と好投した。4回まで毎回得点圏に走者を背負いながら後続を断った。「フェニックスが始まって調子が良い投球が多かったので、今日悪いと評価は悪いとなる。今日は頑張ろうと思いました」。同リーグ3試合目で初の先発起用に応えた。

9月中旬から約1カ月半は下半身のコンディション不良で実戦回避。その間は阪神で05年に15勝を挙げるなど、黄金期を築いた下柳剛氏が行っていた「インターバルピッチ」に挑戦した。ブルペン投球とダッシュを交互に繰り返すメニューで、安藤2軍投手コーチの指導の下、川原の場合は「15球→10メートルダッシュ5往復」を1日5セット。「疲れていても強い球を投げるという目標があった。少しずつ真っすぐも良くなっている」。川原と同じ長崎県出身で、かつての左腕エースの流儀で投球を磨いてきた。

1年目は実戦登板ゼロ、今年も離脱があり、故障がちだった。その姿に平田2軍監督は「(プロで)だめだったら長崎に帰ってちゃんぽん屋やれって言ってんねん」と、独特の言い回しで愛のムチを送ってきたと明かした。同監督も長崎県出身。川原の好投を「気持ち入ってたな」とたたえた上で、「俺は陸にすごく期待していた。それを裏切った。少々じゃ合格点を出さない」と柔らかな表情で同郷の19歳にまたハッパを掛けた。川原も「3年目になるのでしっかり結果を残したい」。この日を21年の飛躍への礎にする。【只松憲】

◆川原陸(かわはら・りく)2000年(平12)12月12日生まれ、長崎県出身。創成館では3年夏の甲子園に出場。1回戦で後に阪神入りする創志学園の西純と先発で投げ合い、16三振完封負け。川原は4回途中4失点。18年ドラフト5位で阪神に入団し、昨年は腰痛で実戦登板ゼロ。今季はウエスタン・リーグで3試合に登板して0勝2敗、防御率5・14。今季推定年俸は480万円。186センチ、86キロ。左投げ左打ち。