NTT西日本が8強入り、23歳で死去の同僚と戦う

NTT西日本対Hоnda鈴鹿 7回表NTT西日本1死一塁、右越えに2点本塁打を放つNTT西日本・藤井(撮影・菅敏)

<都市対抗野球:NTT西日本7-3ホンダ鈴鹿>◇28日◇2回戦◇東京ドーム

NTT西日本(大阪市)が、2年連続で8強入りを果たした。ヒーローインタビューに登場した酒井良樹内野手(24=駒大)、藤井健平外野手(23=東海大)は、背番号6のユニホームを大きく掲げた。酒井は「中井とは同期で、いろんな思いもあります。亡くなったことでチームがひとつになりました。中井のためにも優勝して恩返ししたいと思います」と、大きな声を東京ドームに響かせた。

今年、4月にチームメートの中井諒さんが骨肉腫のため23歳の若さで死去した。選手たちは、背番号6の中井さんのユニホームをベンチに掲げ、ともに戦っている。

2点をリードされて迎えた3回、1死二塁から藤井の適時二塁打で1点を返すと、続く酒井が大会第14号となる右越えの2点本塁打を放ち、逆転に成功した。さらに7回には1死一塁から藤井の大会第15号の2ランでリードを広げた。

投げては、今年のドラフト候補と注目されながらも指名漏れとなった大江克哉投手(24=花園大)が2回途中から登板。テンポよく打たせてとる投球で6回1/3を3安打1失点。自己最速タイとなる151キロを記録した。「初戦から投げたい気持ちが大きかった。やってやろうと思い切っていきました」。公式戦初の救援登板ながら、持ち味の力のある真っすぐを投げ込んだ。

初戦は完封、2回戦は逆転で勝利をつかんだ。「試合の流れを読んで戦えるチームになりつつある」と大原周作監督(55)。投打がかみ合い、チーム一丸で勝利の波に乗る。【保坂淑子】