ソフトバンクは10日、ペイペイドームに隣接するエンターテインメント施設「BOSS E・ZO FUKUOKA」で新入団選手の発表記者会見を行った。ドラフト1位の花咲徳栄・井上朋也内野手(17)は「息の長い選手になりたい。コンスタントに3割30本塁打を打ちたい」と宣言。背番号「43」にちなみ、南海、オリックス時代の門田博光しか達成していない「40代、3割30本」を生涯目標にプロの世界に飛び込む。
◇ ◇ ◇
今まで立ったこともないような、大きなステージ。ネット中継で世界中にも配信された。ペイペイドームでプロ入り最初の仕事、入団会見を無事に終えた井上は「こういう節目はすごく大事にしています。ほっとしました」と、高校生らしいあどけない笑顔を見せた。
壇上では堂々とした姿を見せた。出席した新人12選手の先陣を切って、2つの大きな目標を宣言した。「3割30本をコンスタントに打ちたい。息の長い選手になることが目標です」。まだ18歳にもならない若武者は、思い描く壮大な未来を臆することなく口にした。
1つ目の目標「3割30本」には、打撃を売りにする井上のこだわりが詰まっている。「ホームランだけ、打率だけ、というのではなく、両立させたい」。今年春から木製バットで練習しており、一時期は金属バットの方が「ヘッドが軽すぎて」と苦手だったほど、すでに「プロ仕様」に順応している。「ずっとバットを握っちゃいますね。病気みたいに」。ベッドの上でも愛棒を握りしめるほどの打撃好きは、万能型の打者が理想像だ。
2つ目の目標は「息の長い選手」だ。「内川選手や松田選手のように、毎年毎年、活躍できる選手になりたい。自分のできる限りのところまで挑戦したいという思いが強くあります。シンプルに野球が好きなので」。これまで大きなケガをしたことがないという、体の丈夫さも武器。心行くまで現役でプレーし続けたいという願いを込めた。
2つを掛け合わせた生涯の目標が、授かった背番号「43」にもちなんだ“フォーティー・スリー”。40代での3割30本だ。長いプロ野球の歴史でも南海、オリックス時代の門田博光しか成し遂げていない偉業。「目指していきたい」。将来の主砲候補が、未来予想図を描いて目を輝かせた。【山本大地】
◆井上朋也(いのうえ・ともや)2003年(平15)1月28日、大阪・四條畷市生まれ。中学時代は生駒ボーイズ(奈良)でプレー、17年の世界少年野球大会で日本代表に選ばれた。花咲徳栄では1年春からベンチ入り。1年夏、2年夏は外野手として甲子園を経験。2年冬からは主将を務め、内野手へコンバート。センバツ切符をつかみ、今夏の甲子園交流試合にも出場した。高校通算50本塁打。181センチ、87キロ。右投げ右打ち。
▼満40歳以上のシーズンで30本塁打と打率3割をクリアしたのは門田博光1人だけ。40歳だった88年は南海で、41歳となった89年はオリックスで達成している。08年には40歳のタフィ・ローズ(オリックス)が40本塁打を放ったが、打率2割7分7厘。09年は山崎武司(楽天)が39本塁打したが、打率は2割4分6厘にとどまった。また、43歳シーズンの96年に落合博満(巨人)は、規定打席到達者では史上最年長3割となる3割1厘をマークしたが、21本塁打に終わるなど、40代での3割30発がいかに難しいかががうかがえる。