ソフトバンク中村「来季外野で」一塁で初Gグラブ賞

「三井ゴールデン・グラブ賞」を受賞し、トロフィーの重さに驚く中村(撮影・狩俣裕三)

プロ野球の守備のベストナインを選ぶ三井ゴールデングラブ賞が18日に発表され、ソフトバンク中村晃外野手(31)は本職の外野ではなく一塁手で初受賞した。今季は開幕前に痛めた両膝の影響もあり、一塁や指名打者での出場が中心。都内で行われた授賞式に出席し、来季は外野手での受賞を誓った。内外野での受賞は過去3人しかいない。他に千賀滉大投手(27)と甲斐拓也捕手(28)、柳田悠岐外野手(32)が選出されたソフトバンクは球団別最多の4人だった。

   ◇   ◇   ◇

最多安打の獲得歴もある打の名手、中村晃は自身初の守備の栄誉を喜んだ。「1度取りたい賞だったのでうれしい。やっぱり守り勝つ野球は強いと思いますし、守備がいいチームは勝てるチーム。打つことも大事ですが、やっぱり守備はすごく大事」。初めて手にする金色のファーストミットを見つめ「(自分のミットと)そっくりですね」と笑顔。本来は外野手で、初受賞が一塁手だったことに「予想外でした」と白い歯を見せた。

今季は開幕前に両膝を痛めたこともあり、外野での出場は29試合にとどまった。一塁では60試合に出場し「体が大きい選手というイメージはありました。でも一塁は軽視されがちですが、難しさはある」。打者が引っ張った強い打球のさばきだけではなく、野手からの送球がワンバウンドしても捕球する技術も高い。だが、このまま一塁に専念するつもりはない。

来季は体の状態を万全にし、本職の外野に挑む。「選手として長くやるためには、外野を守れないときつい。来季は外野をしっかり守れる状態にしたい」と気合十分だ。その上で「本来は外野手なので。外野でしっかり、もう1度この賞を取れるくらいのものを見せていきたい」と、外野手でのゴールデングラブ受賞へ意気込んだ。

内外野で受賞は過去に巨人高田、ロッテ西村、日本ハム稲葉の3人しかいない。中村晃が完全復活した先に、史上4人目の快挙が待っている。【山本大地】