日本一へ、番長はブレず成りあがる/三浦監督インタ

2021年の飛躍を誓うDeNA三浦監督(撮影・河野匠)

「成りあがり」の2021年へ-。セ・リーグただ1人の新監督にして年男となるDeNA三浦大輔監督(47)が、新春インタビューで自らの「こだわり」を語った。敬愛するミュージシャン矢沢永吉から、背番号、代名詞のリーゼントまで、その信念やプライベートに迫り、野球観も浮き彫りにした。昨季4位から、現役時代の98年以来、23年ぶりの優勝へ。横浜一筋の「ハマの番長」が、ブレない信念で先頭を歩む。

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約束の「いつの日か」が今年、やってくる。自身の引退セレモニーで使用した矢沢永吉の名曲。そこに込められた思いとは。

「引退試合の最後の最後に『いつの日か』を使わせてもらいました。歌詞に『いつの日かもう1度逢おう 夢を見ていたこの場所で-』。僕の中ではハマスタだった。(もう1度)優勝できなかったから、そのために戻ってくるというメッセージも込めてね。指導者として戻ってきたいと。選手としてはあの年で終わりですけど、もう1回、ファンの方たちと一緒に、夢を見たい、夢をかなえたいと。戻ってこれたことをうれしく思いますし、その夢の続きを、また一緒にファンの方たちとかなえたいなと思っています」

ロックスターとの“出会い”は、30年以上も前。現役時代は「勝負曲」として気分を盛り上げた。

「中学生のころですね。初めてレコードを聴いた時にガツーンと入ってきましたね。カッコイイなと。『SOMEBODY’S NIGHT』から入って『止まらないHa~Ha』『アイ・ラヴ・ユー、OK』とかも好きですね。現役のころ、先発の時は球場に行く時は『止まらない-』を聴きながらテンションを上げて、帰る時はバラードで心を落ち着かせていましたね」

その歌声に心を奪われ、著書の「成りあがり」を読み込んだ。ブレない生きざまに感銘を受けた。

「挫折も味わった中でも折れない心で立ち上がってまた突き進んでいく。バイブルですよね。矢沢さんも広島から出てこられて横浜で降りて、横浜からスタートした。自分も奈良から出てきて横浜からスタートしましたから。常に意識して生きてきました」

高卒でドラフト6位入団から1軍監督。十分な「成りあがり」と思えるが、まだまだ満足していない。

「なることが目標ではないですから。やっぱり優勝なので。もう1回、優勝したい。選手としては98年、優勝できて、もう1度、優勝するんだとやってきて、結局できずに引退しましたから。今度は監督として優勝したい。(まだ)監督になっただけなので。もちろん、なりたいと言ってなれるものではないけど、ゴールじゃないです。そこから優勝ですから。ゴールはないと思うんですよね、常に。(優勝と)なったらなったで、またもう1回やりたいとなると思うので。まずそこですよね。まず優勝。そこが最大の目標ですよね」

昨年は2軍監督として経験を積んだ。指揮官としての「こだわり」とは。

「監督としてこだわるのはベンチの雰囲気ですよね。いい雰囲気でないと選手が力を発揮できない。監督の顔色をうかがって、どうすればいいのかと考えてやられても困るし。選手が持っているものを最大限に発揮するためには、やっぱり雰囲気がよくないと」

1軍監督として戦っていく上で、実戦の中で得たことは大きかった。

「采配の部分では『即断』ではないけど、先読みで、こうなってこう…と頭にあるけれど、なかなかその通りにいかない。そこに臨機応変に動けるかどうか。そういう判断をするために、頭の中は常にリフレッシュして、いい状態にしておきたい」

今季は1軍監督として、より多忙な日々を送ることになるが、オンとオフの切り替えは意識していく。

「遊ぶ時は遊びますよ。24時間ずっと野球のことを考えるのは現役のころも無理でしたから。休みの時はリフレッシュすることも野球のためになりますし。監督になってどういうリズムになるか分からないですけど、休む時はしっかり休んでやらないと、いい決断が出来ないと思うので。自分がしっかりリフレッシュした、いい精神状態にいないと」

入団時の背番号は「46」。強いこだわりで「18」へ変えた。

「当時の横浜のエースナンバーは17とか24とかでしたけど、いや『18』が欲しいと、95年くらいから球団にお願いして、『結果を残したらな』って。(18を)エースナンバーにしたいという思いもあった。それで98年からやっとつけさせてもらえたんですね」

「18」の1年目で優勝。背番号が「81」に変わる1年目、立場も変わって再び頂点を目指していく。

「そういう節目になればいいし、ちょうどいいのかなと。慣れ親しんだ1と8がついて、監督としてスタートする番号にはいいのかな」

今や98年の優勝を肌で知らない若い世代のファンも増えてきたが、古くからのファンも含め、すべてが大切な仲間だ。

「全員が一緒ですよ。大洋ホエールズの時からずっと応援してくれているファンもいますし、今年からファンになる方もいる。どちらも2021年、横浜DeNAベイスターズのファンとして、チームの一員だと思っているので。そのための『結束』というところで、選手、監督だけじゃなくファンの方もみんな一緒に、オールドファンから新しいファンまで、みんなが結束して、1つの船に乗っているような感じで進んでいってくれたらなと。一緒に喜びを分かち合いたいなと思っています」

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最後に、あらためて聞いた。「番長」とは?

「今、きれいにまとまったと思ったんだけど(笑い)。番長とは? なんだろう…。まあ、そうやって呼んでもらえるのはありがたいことだし。周りの人に助けてもらいながらも、信じた道を突き進んでいきます。ヨロシク!!」【取材・構成=鈴木正章】