2年目の「惜しい」シーズンを発奮材料とし、阪神近本光司外野手(26)には一層の飛躍を果たしてほしい。昨季は31盗塁を決め、新人年から2年連続のタイトルは立派だ。その陰で数々の快記録に迫りながら、すんでのところで逃がしていた。
打率2割9分3厘はセ・リーグ9位で、規定打席を満たした阪神の選手では最高だ。474打数139安打。実はたった3安打の上積みがあれば、四捨五入ながら初の3割打者となっていた。チーム29試合を消化した7月25日の時点で、打率は1割9分4厘。同9日から27日まで、足かけ19日間もセ打率部門の最下位に沈んでいた。同28日から閉幕までの90試合で3割1分1厘と持ち直しており、ほんのわずかな不足が惜しまれる。
本塁打数は2年続けて9本で、2桁には届かなかった。なお昨季の本塁打はすべて、1番打者として放っていた。阪神の選手が1番で先発した試合で2桁本塁打なら、10年マートン15本以来、日本人なら04年今岡12本以来のはずだった。左打ちに限ると74年テーラー10本、日本人左打者なら72年藤田平12本以来、実に48年ぶりとなっていた。
全120試合のうち中堅手として114試合に先発した。阪神で年間全試合の過半数でスタメン中堅手としての打率3割以上は、08年赤星憲広3割1分7厘までさかのぼる。90年代不動のセンター新庄剛志は、00年28本をはじめ2桁本塁打を7度マークしたが、打率3割には縁がなかった。仮に近本が「中堅手としてチーム過半数に先発し、打率3割&10本塁打」を達成していれば、60年並木輝男(中堅先発118試合=3割6厘、11本)以来、60年ぶりとなっていた。いずれの記録も、ほぼ手中にしていた数字である。今季こそ軽々とクリアしてほしい。【記録室=高野勲】