<復刻あの年の虎キャンプ:75年2月8日>
高知・安芸で主力がキャンプインしたこの日、甲子園の残留組にいたルーキーの工藤一彦投手(ドラフト2位、土浦日大出身)がプロ第1球を投じた。
残留組と一緒に走っていた工藤に河西スカウト部長から「ピッチングをしてみろ」と声がかかった。投球は前年秋の国体以来で、軽いキャッチボール程度しかしていなかったというだけに不安もあった様子。
しかし、高めがグンと伸びる力強い球に、投手出身の渡辺スカウトが2球続けて捕り損ねるほど。約40球でストップがかかった。工藤は「どうも指の感触なんかがスッキリしない」と不満げだったが、見守った藤村2軍監督らは「ボールに力があるし、球の回転は実にいい。やはり大物だよ」と高い評価で一致。1軍デビューは4年目の78年だったが、通算66勝(63敗)を挙げた。