田中正義「おそらく中継ぎの方で勝負」インタビュー

3日、ブルペンで投げ込む田中(撮影・梅根麻紀)

<鷹く! 羽ばたけ>

ソフトバンク5年目の田中正義投手(26)が、日刊スポーツのインタビュー企画「鷹く! 羽ばたけ」にオンラインで応じた。昨年は春季キャンプで右肘を痛めて1軍登板なしに終わったが、11月の2軍戦で自己最速の156キロをマークするなど、復活&覚醒の兆しを感じさせる。現在B班の宮崎キャンプで充実の日々を送る16年ドラフト1位右腕が心境の変化や、今季への自信、目標を語った。【取材・構成=山本大地】

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-キャンプ第2クールまでを振り返って

田中 順調ですね。今はしっかりブルペンに入って、実戦で投げられるようなボールを投げていくことと、後は体作りですね。(昨年痛めた右肘も)問題なくやれています。

-キャンプではここ数年、故障離脱があった

田中 第一条件として、キャンプ中に離脱しないようにということは常に意識していますね。

-アピールとのバランスが難しい

田中 バランスを取らなきゃいけないんですけど、とにかく自分の体と向き合いながらというか、そうやっていったら大丈夫なんじゃないかなと思います。

-ここまでやると故障するというところがわかってきた

田中 自分の体をよく知るというか、細部まで自分の体の声を聞いて、自分でケアする時間が大事だなと思うので。そこは毎日やっています。いろんなトレーナーさんとかに聞きながらやっていますね。

-練習中の表情が明るい

田中 方向性というのはようやく定まってきているので、そこに向かって毎日やるだけというような感じです。楽しさというのは以前よりかなり強く感じられています。

-実戦は楽しみか

田中 楽しみですね。自分の持っている力を、コンディションによってうまく出せないとかは多分ないと思うので、楽しみな気持ちの方が強いです。

-昨年10月に右肘痛から復帰して以降の実戦内容が自信につながっている

田中 そこは間違いないですね。

-周りの反応も変わった

田中 「今のボールだったら大丈夫だよ」と言ってもらえることが増えたので、そこは自分でもチャンスがあるなという気持ちにならせてくれていると思います。

-契約更改では感謝を口にした

田中 4年間結果がゼロなので。どうしようというか、厳しいじゃないですか。契約していただいただけでもありがたい、というのは感じますね。

-周囲の期待の大きさをどう感じる

田中 そこまでコーチとか、監督さんたちに「期待してるぞ」と面と向かって言われてないので、なんとなく空気で感じるみたいなことになるんですけど。そこを自分が過剰にやり過ぎていたというか。周りはそんなに思っていないと思うんですけど、勝手に自分で自分のパフォーマンスを落とすような思考になっていたと思う。そこからは抜け出せたんじゃないかなと思います。

-理想を高く持ちすぎたという感じか

田中 というよりは、1軍で活躍することの難しさというのをすごく感じて。ここまでぼくは野球が下手くそだったのかというのは感じました。こんなにも下手だとは思ってなかったです。1軍でやってそれをすごく感じて。そこがだんだん、プレーに集中できるようになってきているのが今という感じですね。

-ドラフト1位の重荷はもう感じていない

田中 もう誰もそんな目では見ていないと思う。とにかく、自分のパフォーマンスがどうやって上がるのかなと言うことに集中できています。

-投球フォームへの手応えは

田中 100点にはおそらくたどり着かないですけど、死ぬまで。投げるときにはあまりフォーム、フォームとやっていたらいいボールは行かないと思うので、マウンドではフォームを気にしない状態が作れたらいいなと思います。

-宿舎での過ごし方

田中 お風呂には結構入っていますね。休日もほとんど外に出ていないです。ストレスは若干はありますけど、外に出ることのリスクとリターンが合っていないような感じはしますけどね。

-映画を見たり娯楽は

田中 YouTubeとか見ていますね。ゲームをやらないのに、ゲーム実況者の動画を見たりしています。雑談したりしているのを聞きながら、ゲームを見るのが面白いんですよ。自分ではゲーム機器は1個も持っていないんですけど、見るのが面白いです。

-キャンプでの目標、今季の目標は

田中 キャンプでは第1条件として完走すること。A組にしっかり割って入っていけるようにしたい。シーズンはおそらく中継ぎの方で勝負になると思うので、まずは開幕1軍を目指して、そこから30、40試合投げていけるようにしたい。

-具体的な数字を言うのは珍しい

田中 チャンスはあるんじゃないかなっていう心境ですね、今は。虚勢は張っていないです。できることを頑張ります。

<取材後記>

今年1月、筑後で自主トレに励む様子を見たときに田中の変化を感じた。キャッチボールをしながら、ランニングをしながら、笑顔が絶えない。これまではどちらかというと、考え込むような表情が多かった。田中の中で何が起きているのか、知りたかった。

プロ4年間で11試合、未勝利。5球団が競合したドラフト1位としての重圧もあっただろう。だが、話を聞いてみると、精神的なしがらみから解放され、何より投げるボールに今までになく手応えを感じていることがわかった。

「最後の質問」として今年の目標を聞くと、思いがけず具体的な数字が返ってきた。あまり大きなことを言うタイプではない。思わず“おかわり”で質問を増やしてしまったが、言葉の端々から今年にかける自信が伝わってきた。【ソフトバンク担当=山本大地】

◆田中正義(たなか・せいぎ)1994年(平6)7月19日、横浜市生まれ。小1から野球を始め、創価、創価大を経て、16年ドラフト1位でソフトバンク入団。18年に1軍デビューし、プロ通算は登板11試合で0勝1敗、防御率8・16。昨年は春季キャンプで右肘を痛め、1軍登板がなかった。187センチ、93キロ。右投げ右打ち。