広島島内1回3K「良い投球」佐藤輝明に真っ向勝負

阪神対広島 7回裏、広島3番手で登板する島内(撮影・上山淳一)

<オープン戦:阪神6-4広島>◇9日◇甲子園

広島3年目の島内颯太郎投手(24)が1回1安打3三振と好投し、勝ちパターン入りをアピールした。阪神とのオープン戦(甲子園)で、2点ビハインドの7回に3番手で登板。最速154キロの直球を武器に、ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)から空振り三振を奪うなど、際立つ存在感を見せた。目標の勝利の方程式入りへ、残りのオープン戦も結果を残し続ける意気込みだ。

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島内の剛球が、甲子園でうなりを上げた。先頭の小野寺を直球のみで空振り三振に斬り、打席に注目のドラフト1位佐藤輝を迎えた。初球は高めに外れたが、151キロと154キロの直球を振らせ、追い込んでからの4球目、外角低めのフォークで空振り三振に仕留めた。「良い打者なのは分かっていたので、今出せる自分の全力を出そうと思って投げた」と充実の表情で振り返った。

持ち味の直球がさえ渡った。2死から中野に四球を許し、長坂に中前打を浴びてピンチを招いたが、最後は山本をカウント2-2から148キロ直球で押し込み、このの回全3アウトを空振り三振で仕留めた。「久しぶりに自分の持ち味である真っすぐが投げられた。今日に関しては良い投球ができたかなと思う」と好感触だ。

佐々岡監督も島内の気持ちのこもった投球を評価した。「制球というよりも、『打てるもんなら』というくらいの腕を振ってね」。空振り三振に仕留めた佐藤輝との対決については「あのくらいの気持ちで投げてくれたら。それが彼本来の投球だと思うし、それを求めてるわけですから。小さくなっても何の魅力もないので」と持ち味継続に期待した。

7日ヤクルト戦でも1回を3人斬り。中1日で登板したこの日も無失点に切り抜けた。キャンプからの実戦は5試合で計5回3安打1失点の安定感。「中継ぎでやるからには後ろを任せてもらえるような投手になりたい。開幕まで残り少ないけど、アピールするしかない」と貪欲だ。勝ちパターンを争う塹江、ケムナやドラフト1位栗林ら新人3投手もアピールを続けている。「中継ぎはみんな今調子がいいので、何とかみんなに負けないように頑張りたい」。激しい身内バトルを制し、一躍大ブレークを期す。【古財稜明】