被災の仙台一・大友投手が東大合格「神宮での姿を」

校舎前で東大合格を喜ぶ仙台一の大友剛さん

<あれから10年…忘れない3・11~東日本大震災~>

宮城県名取市出身で仙台一(宮城)硬式野球部3年の大友剛さん(18)が10日、東大の文科2類に合格した。

東日本大震災から10年が経過しようとする中での吉報だった。11年3月11日、下校途中に被災した。自宅は半壊。沿岸部に住んでいた親戚を津波で亡くした。「名取の閖上地区の朝市が復活したり、地域の方々の復興へのパワーを感じて、自分も頑張らないとと思ってきた。将来の夢の選択肢も広がった。野球では神宮のマウンドに立つ姿を見せたい」。同校グラウンドも車やがれきが流れつき、撤去や整備で約1年間は使用出来なかった。さらにネットや支柱工事は14年2月まで続いた過去も知っている。

昨夏の宮城県独自大会では背番号12の投手として、34年ぶりの4強進出に貢献。休校などもあったコロナ禍も乗り越え「自主トレもしながら、勉強も多く出来るチャンスと前向きに捉えた。やれば出来るという経験は受験にも生かせた」と自信につなげた。同校野球部としては、昨年度に合格した19年卒の鈴木健、20年卒の関戸悠真に続いて、3学年連続の東大合格となった。「身近な先輩が2代連続で合格したことも、大きな目標になりました。将来の夢は決まっていませんが、東大合格で選択肢は広がったと思う」と相乗効果もあった。

東大進学後も硬式野球部に入部する予定だ。同大は、東京6大学野球のリーグ戦で17年秋から56連敗中で、98年春から続く最下位脱出に挑んでいる。「投手を続けていきたいし、出来るだけ戦力になりたい。神宮のマウンドに立つ姿をみなさんに見せたい」と意気込んだ。

千葉厚監督(42)も「本人の心の強さで、ぶれずに頑張ってくれた。勉強だけでなく野球も頑張ってくれた。すごいことを成し遂げてくれた」とたたえた。【鎌田直秀】

◆大友剛(おおとも・ごう)2003年(平15)2月4日生まれ、宮城県名取市出身。不二が丘小3年時に不二小野球スポーツ少年団で野球を始め、名取一中では軟式野球部。仙台一3年夏の宮城県独自大会では3試合に登板し、4強進出に貢献。174センチ、70キロ。右投げ右打ち。家族は両親と弟、祖母。血液型AB。得意科目は日本史と世界史。