<ソフトバンク3-2ロッテ>◇27日◇ペイペイドーム
ソフトバンクがサヨナラで開幕2連勝を飾った。2点ビハインドを8回に追いつき、9回の好機で今宮健太内野手(29)が中越えタイムリーを放って連日のヒーローになった。
球団で開幕2戦連続の決勝打は1952年(昭27)の山本(のちに鶴岡)一人以来、69年ぶりの快挙だ。工藤公康監督(57)は、史上31人目となる監督通算500勝目をゲット。5年連続日本一へ視界良好だ。
◇ ◇ ◇
工藤監督は開幕前に「最後まで諦めないことがチームにとって一番大事。9回最後のアウトを聞くまでは負けではない」と力説した。その執念がチームに宿ったような展開で劣勢を跳ね返し、開幕2連勝を決めた。
連日のヒーローは今宮だ。0-2から6回グラシアル、8回デスパイネの適時打で追いつき、引き分け寸前だった9回1死二塁。益田の変化球を捉えた打球は、極端な外野前進守備を敷いていた中堅藤原の頭上を越えた。「チームが勝てたところが良かった。しんどい試合でした」。3-2のスコア以上に、苦しい展開だった。開幕2戦連続V打は、ホークスでは52年山本(のちに鶴岡)以来の大殊勲となった。
相手に流れが傾きかけた序盤、チームを踏みとどまらせたのも今宮の守備だった。初回に先発高橋礼が4四死球を与え、無安打のまま押し出しで先制点を献上。さらに2死満塁で、鳥谷の打球が三遊間を襲った。遊撃今宮はダイビングで捕球すると、座りながらの一塁送球でアウトにした。誰にもまねできないビッグプレーで大量失点を防ぎ、悪い流れを食い止めた。「体の状態もすごくいいし、しっかり動けていい判断ができている。終わった後に見てみると大きかったですね」と、冷静に振り返った。
工藤監督は就任7年目で通算500勝に到達した。球界31人目、球団4人目の大台到達となった。「ぼくのことはまあいいです。選手もそうですし、コーチの人やみんなに感謝しなくてはいけない」。節目のウイニングボールにも目をくれず「サヨナラ勝ちですしね、センターに転がっているんじゃないですか」と、謙遜しながらおどけた。
粘り腰発揮で白星を呼び込んだチームには「勝ちが付くのが何より大きい。引き分けじゃなく、勝てて良かった」と笑顔。殊勲の今宮には「守備といい打つ方といい、本当に素晴らしい選手だとあらためて思いました」とたたえた。昨季2位のライバル、ロッテ相手に会心の開幕カード勝ち越しを決め、一気の3連勝を目指す。【山本大地】
◆52年南海山本の開幕2戦連続決勝打 南海が本拠地大阪球場に大映(後に毎日=現ロッテ=と合併)を迎えた3月21日の開幕戦。1回1死一、二塁の好機に、山本一人が放った飛球を左翼手が捕球し損なって(記録は左安)先制点。序盤に計5点を挙げ、チームは完封勝ちを収めた。山本は翌日22日の同戦で、1回2死二塁の場面で左翼席へ先制2ラン。南海は7回にも重盗を絡めて1点を加え、逃げ切った。好発進を決めた南海は、パ・リーグ発足後の初優勝を飾った。