巨人の「ケチャップ」がようやくドバッと出た!今季最多の12安打9得点

広島対巨人 4回表巨人1死満塁、適時打を放つ亀井(撮影・狩俣裕三)

<広島0-9巨人>◇11日◇マツダスタジアム

日本サッカー界に、こんな名言がある。

 

「ゴールはケチャップのようなもの。出ない時は出ないけど、出る時はドバッと出る。悲観的になりがちだけど、次は取る自信がある」

 

12年9月11日、W杯アジア最終予選。イラクに1-0で勝利したものの、日本代表のエースMF本田圭佑は代表戦4試合連続無得点に終わった。後半だけで5本のシュートを放ったが、ゴールネットは揺らせなかった。その試合後に「ケチャップ」を持ち出し、得点への考え方を独特の言い回しで表現した。その後2試合はノーゴールだったが、年が変わった13年は12試合で8得点。宣言通りに得点を量産した。

 

21年のプロ野球界では、巨人が「ケチャップ」が出ずに苦しんでいた。

この試合前まで12試合連続で3得点以下と打線が沈黙。球団ワースト記録に28年ぶりに肩を並べていた。開幕直後に見舞われた“得点力不足”という緊急事態にも、原辰徳監督(62)は「理由をいろいろ考えると出てくる。しかし、何とかこのメンバーで何とかしなきゃいけない。チーム全体で、ジャイアンツとして戦わないとね。明日また総力戦で頑張ります」と悲観することはなかった。冷静かつ前向きに現状を受け止め、この試合では新たな打開策に打って出た。

得点力アップへ、打線の組み替えに着手した。3番に亀井善行外野手(38)を起用し、ここまで上位に座っていた梶谷隆幸外野手(32)を6番に。4日の昇格以降は打率3割7分5厘、1本塁打とアピールを続ける香月一也内野手(24)を7番、8番には増田大輝内野手(27)を今季初スタメンに据えた。

常にポジティブな指揮官の一手により、巨人の「ケチャップ」が、ようやくドバッと出た。初回に4番岡本和真内野手(24)の今季1号2ランで2点を先制すると、3回に大城卓三捕手(28)が右前適時打で3点目。4回1死一、三塁からは1番松原聖弥外野手(26)の中越え適時二塁打で、ついに4点目を挙げた。

1度つっかえが取れた「ジャイアンツ・ケチャップ」は止まらない。4回1死満塁から亀井が左前適時打で5点目を奪い、5回には増田大がプロ初本塁打となる1号2ラン。抜てきされた選手たちが序盤から躍動し、5回までに7得点。あれだけ遠かった本塁を、巨人ナインがドバドバと駆け抜けた。

9回に2点を追加し、終わってみれば今季最多の12安打とヒットを量産した。前日に2年ぶりに突入した借金生活からも1日で脱出し、勝率を5割に戻した。今季1号で目を覚ました4番岡本和を中心に、ここから詰まりが取れた「ジャイアンツ・ケチャップ」が、ドッとあふれ出してくるはずだ。【浜本卓也】

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