侍稲葉監督、原監督の1点取る采配「いいものが見られたなと」一問一答

巨人-中日戦の視察に訪れた侍ジャパン稲葉監督(撮影・足立雅史)

侍ジャパン稲葉篤紀監督(48)が15日の巨人-中日戦(東京ドーム)を視察した。

巨人坂本、岡本ら代表候補選手のチェックを始め、原監督の采配にも知見を得た。一問一答に、五輪への思い、候補選手の野球人としてのさらなる飛躍への願いが垣間見える。

-今日の視察の目的は

稲葉監督 今日は坂本、岡本、あとは高橋周平が試合に出ていますので、野手を見に来ました。

-坂本は1打席目に二塁打。状態は

稲葉監督 少しずつ状態も上がってきているように見えていますし、守備も非常に安定していますので。順調に来ているなという感じがします。

-坂本のリーダーとしての立ち居振る舞い、雰囲気はどう見ているか

稲葉監督 いつも通り、だなと。精神的支柱はジャパンでも大事ですし、経験をたくさん積んでいる選手は貴重ですから。このまま順調にいけば、というね。

-岡本、高橋周については

稲葉監督 和真(岡本)はまだちょっと本調子ではないかなというね。まだまだ始まったばかりなのでここからどう上げていくかというのはまた見ていきたいと思います。

-岡本の状態は心配

稲葉監督 彼もまだまだ若いので、ここまで順調に来ていたと思いますし、壁は必ずあるので、打破していくのが、これからの彼の経験にもつながっていくと思う。そういう意味でもここからどう上げていくか、しっかり見ていきたい。

-監督の現役時代もスランプを脱するたびに引き出しが増えていく感覚もあったか

稲葉監督 悪い時は、どういう練習をするか。例えばバッティングが悪くなった時は守備を多めにやる。守備からリズムをつくって、攻撃に移っていくというやり方をした。今日もサードフライを捕れたかな、というやつをエラーというか、落としたのも、やっぱりリズムが悪い。もう1度、自分の調子が悪いのは、どこからか、彼も当然考えていると思いますし、そういうところからいろんなことをつかむことがあると思う。

-現役時代の国際大会でも、それが生きたか

稲葉監督 国際大会は、あっという間に終わってしまうので調子悪ければ、調子悪いで終わってしまう。調子悪くても自分が何をやっていけるのか、と切り替える必要もあると思いますし、そういうところもジャイアンツの中で、和真が切り替えて、守備は守備でやっているのか、そういうところも今、見ている最中ではある。まだまだ若いので、今は打撃が悪かったら守備に影響してしまうところもあるので、そういうところもしっかり経験を積んで切り替えをして、そういうところもやっていく段階だと思います。

-菅野、大野について

稲葉監督 まだ彼らも始まったばかりですし、良くもなく悪くもなくという感じだと思うんですけど、ここからどう調子を上げていくかというところもしっかり見ていきたいと思います。

-巨人の重盗は

稲葉監督 今日は原監督の采配という、3回の1点の取り方。ダブルスチールで1点を取ったというシチュエーション。あの1点は相手チームにとって非常に大きな1点だなと思いましたし、ああいう点の取り方をしてくるというね、タイミングとして1点どうしても欲しいというところでの采配、いいものが見られたなと思います。

-重盗は相手にとってもエアポケットだった

稲葉監督 あそこ、セカンドスローだったのもちょっとビックリしたけど、あそこは相手のことを読んでダブルスチールを仕掛けたのか、それとも関係なく点を取りにダブルスチールを仕掛けたのかはちょっとまだ分からないですけど、どうしてもあそこの1点は欲しい。1点の取り方は原監督の采配なんだろうなというところは勉強になりましたね。

-京田のベースカバーも遅れ気味に映った。予期していなかったかも

稲葉監督 そんなに予測はしていなかったのかなという感じはしていました。一塁走者が亀井選手だったので当然あそこでスチールとは考えにくい場面の中で思い切って仕掛ける。相手が動揺したのかなというものを誘うプレーだったのかなと。1点1点の積み重ねが国際大会も大事ですから、仕掛けられるタイミングというのは勉強になりました。

(最後に自らつけ加えて)

稲葉監督 あとコウタ(中川)もね。今年はここまで順調に来ていますし、最初は抑え候補で抑えだったんですけど、今は8回というね。ジャパンも当然後半の7、8、9は大事ですから。そういうところも含めてこれから彼の活躍というのもこれからまたしっかり見ていきたいと思う。