ロッテ美馬けん引で先発陣好調「みんな勝ちがついて雰囲気はいい」

オリックス対ロッテ ヒーローのロッテ美馬は記念撮影に笑顔でガッツポーズを見せる(撮影・上山淳一)

<ロッテ7-2オリックス>◇17日◇京セラドーム大阪

ロッテ美馬学投手(34)が笑いながらベンチから出てきた。天を仰ぎ、肩を落とすように脱力した。

7回、オリックス杉本に2ランを打たれ、2点差に詰められた。さらに走者を2人残して降板。「6回まではかなり良かったので気持ち良くヒーローインタビューしたかったんですけど…全てを7回に投げ捨てました」と苦笑いするしかなかった。

ピンチを3球で切り抜けたフランク・ハーマン投手(36)が堂々と戻ってくる。拍手で迎え、尻をたたき、ベンチへ下がっていく背中へお辞儀した。

言葉どおり、6回までは快調だった。今季初のオリックス打線。「序盤はこれ、最後はこれ、とかある程度プランを考えて試合には入るようにしていますね」。打者によって時に極端な攻め方をするなど、ストーリーで攻めた。

全体的に右打者へのシュートが多かった。「かなり初回から精度が高かった」と右打者を詰まらせ続けた。ただ、7回の杉本には甘く入った。「調子に乗ったら本塁打打たれました。あれは本当にもったいなかったですね」と反省。次への課題とした。

楽天からFA移籍し2年目になる。その古巣に田中将が復帰した。「(自分の方が年は)2つ上ですけど、神様です」という存在。試合後に結果を確認。「段階を踏んでいけば確実に力ある投手なので」とし「負けないように頑張りたいです」と笑った。互いにローテーション通りに進めば、そう遠くないうちにも投げ合う可能性がある。

メジャーでさらに高めた田中将同様、美馬も己の研さんを止めない。ベテランに引っ張られるように、ロッテの先発陣が好調だ。石川が合流して以降8試合の先発投手の防御率は1・59と抜群。4月首位の原動力になっている。「みんな勝ちがついてきたので、なおさら雰囲気はいいかなと思います」と話す。

好投を続けながら白星に恵まれないのが、ドラフト1位の鈴木昭汰投手(22=法大)だ。美馬にとっては、同じ茨城県南地区出身の後輩でもある。お立ち台で「明日(18日)は鈴木が投げるので、次こそ勝てるように熱い声援をよろしくお願いします」と、後輩に勢いをつなげた。【金子真仁】

ロッテニュース一覧はこちら―>