立大・東の9回決勝2号2ランで唯一の負けなし 東大は勝利までアウト4つ

立大対東大 9回表立大無死一塁、東は左越え本塁打を放つ(撮影・鈴木正人)

<東京6大学野球:立大4-2東大>◇第5週第1日◇8日◇神宮

立大が終盤に逆転勝ちした。8回に敵失で追い付くと、9回に東怜央内野手(4年=福岡大大濠)が決勝の2号2ラン。開幕から唯一の負けなしを続け、9日の2回戦も勝てば、試合のない慶大を抜き再び首位に立つ。東大は勝利まで残りアウト4つで暗転。17年秋から62連敗となった。明大は竹田祐投手(4年=履正社)が法大を5安打1失点に抑え、初の完投勝利。

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東は後ろにつなぐことだけを考えていた。同点の9回無死一塁。溝口智成監督(53)から「この打席に集中しろ」と送り出された。「ここしかない」。2球で追い込まれたが、カウント1-2からの4球目、東大・西山のカーブをコンパクトに振り抜き、左翼席への決勝2ラン。7回に一時逆転され、今季初黒星がちらついていた。東大の連敗ストップの願いをくじいた。

17年春以来となる頂点へ近づいている。全10試合の半分を終え、4勝1分けでリーグ唯一の負けなし。今週試合のない慶大(5勝1敗)に、ポイントで0・5点差に迫った。9日も勝てば再び首位に立つ。「謙虚に」と繰り返す溝口監督だが、チーム内では「優勝」の2文字も出ている。

それでも、緩んだ空気はない。東は「『目の前の一戦を全力で戦おう』と言っています」と明かした。空き週を挟んで、この2週間は、チームとしてミスをなくすことに主眼を置いた。それだけに、3失策は大きな反省点。溝口監督は「もともと力があるチームじゃない。1つのプレーに確実性がなかった。苦しい展開になったのは致し方ない」と受け止めた。もう1度、引き締める。【古川真弥】