<ザ・ピンポイント>
<東京6大学野球:東大2-0法大>◇第7週第2日◇23日◇神宮
東大が、17年秋から引き分けを挟み続いていた連敗を64で止めた。
9回表、法大の最後の打者を打ち取ると、東大ナインの歓喜の声が起きた。最後の勝利は4年前。今の部員は全員、初めて味わう瞬間だった。
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今季ラストゲームで東大の真骨頂が発揮された。2回2死から死球をもらうと、アメフト部から転部した阿久津が代走。開幕からスタメンだったが、あえてベンチスタート。次打者・松岡泰の初球で二盗を決め、2球目の右前打で先制ホームを踏んだ。東大初のプロ出身監督、元中日の井手峻監督(77)は「走るのは得意なんだけど、なかなか塁に出ないから」。打率1割台のバットより、50メートル走6秒1の足を生かした。4回の追加点はエンドランから。ドラフト候補の法大・山下輝から機動力を絡め奪った2点を、3投手で守りきった。
進化を示す数字がある。10試合で24盗塁はリーグ断トツだ。主将の大音は「なかなか長打は出ない。先の塁に進もうと」。連日、二塁送球1秒8の強肩捕手、松岡泰を相手に本番さながらの盗塁練習を重ねた。もっとも、やみくもに盗塁を増やすのが狙いではなかった。あくまで得点を増やすには? という戦術面の見直しが出発点だった。
支えたのが、斎藤周学生コーチ(4年=桜修館中教校)だ。農学部で理系の知識を生かし、自ら分析ソフトを作り上げた。過去の東大だけでなく、プロや高校といったあらゆるデータを集め、点差、場面など状況ごとの最善手を探った。「プログラミングして。勝ちたい思いがあったので、大変ではなかったです」と平然と言った。
1試合平均2・2得点で、昨秋の1・4得点よりアップ。守りさえ踏ん張れば、勝機は見えるのが今の東大だ。緊急事態宣言で、1月11日から約2カ月もチーム練習ができなかった。他大学よりハンディを負っても、その分、データ分析に費やし、下を向かなかった。完封勝ちは16年春、立大戦の宮台(現ヤクルト)以来。当時のような絶対的エースはいなくても勝ったが、大音は「いい試合でも勝ちきれなかった。もう1回、新しいチームとして、秋に臨めたら」。もっと、上を目指す。【古川真弥】