担当記者が見たパ6球団収穫と課題:楽天は救援陣奮闘も打線の迫力が不足

楽天松井裕樹(21年3月撮影)

プロ野球は開幕から約2カ月。25日からは交流戦に突入します。混戦模様のパ・リーグ。ここまでの順位は予想どおり? それとも意外? 各球団の担当記者が、収穫と課題を列挙しました。仕切り直しのスタートへ向けて、整理しておきましょう。

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<1位:ソフトバンク>

収穫 首脳陣は、状態の上がらなかった周東にこだわって先発起用を続けた。まだ理想型とはいかないが、1番や2番で出塁し、足を使った攻撃で得点につなげる形ができつつある。その分、ベンチに控える長谷川、明石、川島らベテランが終盤の代打などで勝負強さを発揮。9回打ちきりの今季において、驚異的な終盤の粘りがチームの好位置につながっている。

課題 千賀、東浜の2本柱不在で開幕した先発陣が、なかなか勢いに乗れていない。18日に武田がチーム初完投を記録したが、序盤は開幕投手の石川以外は5回前後で降板するケースが目立った。好調の救援陣にもじわじわと負担がかかっている。後半にかけて影響が出てこないか、気になるところ。

 

<2位:楽天 0・5差>

収穫 救援陣が奮闘を見せている。救援防御率はソフトバンクの2・54に次ぎ、リーグ2位の2・82。岸、涌井、田中将、則本昂、早川、滝中と12球団屈指の強力先発陣を、2番手以降の投手が支え、1点差ゲームはリーグ最多の8勝を数える。

課題 打線の迫力不足が否めない。新外国人のディクソンは打率1割台で2本塁打。カスティーヨは1軍1打席のみで負傷し、復帰を目指している。昨季リーグトップのチーム得点を誇ったが、今季は現在リーグ3位で、チーム打率は同5位の2割3分5厘。堅守を少しでもバットで援護したい。

 

<3位:ロッテ 3差>

収穫 1番荻野、2番マーティン、3番中村奨と続く上位打線は、リーグはおろか12球団を見渡しても有数のつながりを誇るラインアップといえる。5番以降に光るレアード、角中らも効果的な一打が多く、貧打に苦しんだ昨季とは明らかに攻撃の質が変わってきた。岡、鳥谷らバイプレーヤーたちも、昨季より明らかに状態が良い。

課題 開幕からここまで4番に座る安田は、1~3番の好調さから打点こそ稼ぐものの、凡退したチャンスも数多い。井口監督も打順変更を示唆する段階になった。ソフトバンクに打ち込まれた開幕3連戦からはだいぶ持ち直してきたものの、救援陣には昨年ほどの盤石さがない。打線が追い上げた後の失点が多いのも気になる。正捕手田村の故障離脱は痛いが、佐藤都らの成長を促す大きなチャンスと捉えたい。

 

<4位:西武 4差>

収穫 開幕直後からけが人続出と外国人不在に見舞われた野手陣だったが、若手台頭がめざましかった。開幕2カ月で呉念庭、愛斗に加え若林、渡部、ブランドンのルーキーズも初本塁打をマーク。レギュラーの経験どころかプロ1年目の新人含めた若手を、スタメン起用するやりくりを強いられる中、苦戦もしたが結果的に底上げに成功した。

課題 試合をひっくり返すような爆発力が影を潜めている。序盤3回までに2失点以上喫した試合は14戦未勝利(10敗4分け)と、1度も勝てていない。逆転勝利がわずか6勝と少ないことに加え、その内訳も1点差の逆転が5勝、3点差が1勝と大逆転劇がほぼない。山賊が交流戦を機に爆発すれば、自然と白星も増え上位の戦況も変わってくる。

 

<5位:オリックス 5・5差>

収穫 打線の厚みが増し、破壊力が出てきた。4番に座る杉本が11本塁打、吉田正が9本塁打を放つなど、リーグトップとなる47本塁打を誇る。投手陣では19歳左腕の宮城が4勝無敗と奮闘中。山本、山岡、田嶋ら先発ローテーションが充実してきた。

課題 守備面でリーグワーストの失策数を改善したいところ。また救援陣の固定もできていないため、能見、K-鈴木、村西らの状態を見て起用する「日替わり守護神」で、交流戦も乗り切りたい。

 

<6位:日本ハム 8差>

収穫 有原(レンジャーズ)が抜け心配された先発投手陣だったが、新人の伊藤や移籍組の池田が奮闘。右の上沢、左の加藤の両輪も安定しており、来日が遅れていた外国人先発2人を加えて、めどが立った。攻撃では3年目の王柏融が、ようやく台湾3冠王の本領を発揮し始めた。ルーキー五十幡も、快足と強肩で攻守に存在感を放っている。

課題 開幕から主力がそろって不振に陥り、チーム打率は12球団最低の2割2分1厘。得点と本塁打も断トツでリーグワーストと、投手陣を援護できなかった。筆頭は打率1割台で登録を抹消された中田だ。主砲の復調なくして、最下位からの巻き返しは厳しい。また、24敗中、半数近くの11敗が逆転負け。不安定な救援陣も気掛かりだ。