専大エース菊地吏玖9回1死からまさか「1球の怖さを思い知らされた」

日大対専大 専大先発の菊地吏(撮影・足立雅史)

<東都大学野球2部:日大1-0専大>◇第5週第1日◇25日◇等々力球場

専大のエース菊地吏玖投手(3年=札幌大谷)が1発に泣き、今季初黒星を喫した。0-0で迎えた9回1死から、日大の代打小濃塁内野手(2年=仙台育英)に直球を右翼席へ運ばれた。「最後の球が甘くなってしまった。1球の怖さを思い知らされた試合だった」と唇をかんだ。

痛恨のアーチを許したが、収穫も多かった。9回を3安打1失点の9奪三振で、3試合連続完投。9回2死で花崎成海内野手(2年=広島商)に投じたこの日の118球目には、自己最速タイの148キロを計測した。「回を追うごとに集中できた。フライアウトや三振も取れていたので押して押して」と、持ち味のストレートで最後まで押した。

チームは好投の菊地を援護できず惜敗。優勝争いから1歩後退した。専大が優勝を決める条件は、26日に行われる日大との最終戦に勝ち、かつ拓大-国士大戦が1勝1敗、または2分けとなった場合のみ。専大は26日に勝っても、拓大、国士大のどちらかが連勝した場合、Vは優勝決定戦へ持ち越しとなる。

優勝するにはもう負けは許されない状況。斉藤正直監督(61)は「残念です。たった1球だけで」としながらも、「がっかりしている暇はない」と26日の決戦へ、気持ちを切り替えた。【勝部晃多】