<日本生命セ・パ交流戦:阪神3-5ロッテ>◇25日◇甲子園
阪神自慢の鉄壁リリーフが崩れた。甲子園が悲鳴に包まれたのは3-2と1点リードで迎えた8回だった。2番手岩崎が先頭荻野に左前打を許すと、マーティンに6球目スライダーを右翼席に運ばれた。続く中村奨にも二塁打を浴びて1アウトも奪えずKO。いつもは能面を貫く左腕の顔がゆがむ。目を覆いたくなるようなシーンが続いた。
「勝利の方程式」の一角を担う左腕にとって、今季初長打が痛恨の逆転2ランとなってしまった。登板23試合目にして初めてチームが敗戦。さらに自身が負け投手になった。絶対的なセットアッパーがまさかの背信投球。それでも矢野監督は「そんな完璧なヤツおれへんよ。俺ら勝負している以上、やられることもある。今までも助けてもらっている」とかばった。
トリにやられた。かつて阪神の顔として活躍した男の登場で甲子園の空気がガラリと変わった。2点リードの7回1死一、二塁の場面で代打鳥谷がコールされると球場がドッと沸いた。両軍スタンドから鳴り響くメガホンに、湧き上がる歓声。さらに阪神時代の応援タオルを掲げる虎党。鳥谷が右前適時打を放つと、球場は異様な雰囲気に包まれた。
背中の張りで戦列を離れていた4番大山が交流戦に合わせるように1軍に復帰。さあ、再進撃だという一戦だった。1点を追う3回にはサンズ、マルテのアベック弾が飛び出し、エース西勇も立ち直り気迫の投球…。それが鳥谷の登場で歯車が狂いだした。交流戦の出鼻をくじかれ、セ・リーグ2位巨人には3・5ゲーム差に詰め寄られた。「こういう負けも年に何回かはあると思う。(岩崎には)明日からまたいってもらいます」。嫌な敗戦を早く拭い去りたい。【桝井聡】