【大島康徳さん悼む】中1の時に書いた詩 照れながらも胸を張った大島さん

大島康徳氏(2017年7月撮影)

<悼む>

力強く押し寄せる波

ある時はやさしく

またある時はきびしい

青々とした波は戦う

岩と戦う

いっしゅん白く

くだけちる波

くだけては寄せる

波は強い

ぼくよりもはるかに強い

どうとくだけた高い波

波は呼ぶ

ぼくを呼ぶ

波男にぼくはなるんだ

これは大島さんが大分・中津の今津中1年の時に書いた「波」という詩。2000安打を達成した1990年(平2)のオフ、親交のあった北島三郎らによって、この詩をもとに歌をつくるという話が持ち上がった。「おれって文才あるだろ」。照れながらも胸を張った大島さん。結局、歌にはならなかったが、近年ブロガーとして人気を博していたのもうなずける。

現役時代の大島さんは決して多弁ではなかった。

「僕も大分の出身なんです」

「おお、そうか」

最初の会話はそれだけ。同郷のよしみで話が弾むかと思ったらそんなことはなく、「それがどうした」と言われたようで、新人記者だった私はしばらく話し掛けることすらできなかった。少しずつ雑談ができるようになっても、肝心の打撃の話になると「言ってもわからんだろ」と、とうとう神髄を聞くことはできなかった。私の力不足で苦い思い出だ。

それでも年賀状は毎年いただいた。お子さんたちの成長ぶりを喜び、彼らが成人したあとには、愛犬「祭ちゃん」とのほのぼのとしたショットを載せた。ある時は厳しく、ある時は優しい。大島さんは「波男」そのものだったように思う。【89~91年日本ハム担当=沢田啓太郎】