侍ジャパン五輪代表にソフトバンク千賀滉大、日本ハム伊藤大海を追加招集

ソフトバンク千賀滉大(左)と日本ハム伊藤大海

侍ジャパンは東京五輪代表にソフトバンク千賀滉大投手(28)と日本ハム伊藤大海投手(23)を追加招集すると5日、発表した。内定メンバーだった巨人菅野智之投手(31)がコンディション不良、巨人中川皓太投手(27)が左第十肋骨(ろっこつ)骨折で出場を辞退していた。

背番号21となる千賀は「キャンプの時から稲葉監督や建山コーチから声をかけてもらい、やらなくてはいけないという気持ちで過ごしてきました。不運にけがをしてしまいましたが、頂いた言葉を胸に前を向いてリハビリしてきたことが報われた気がしています。今季一軍で投げ続けられていない自分を選んでもらって感謝しています。出られなくなった投手の分まで、これからしっかりコンディションを整えて日本代表チームの力になりたいと思います」とコメントした。

16番を背負う伊藤は「日本代表に選んでいただき、大変光栄に思います。辞退した選手の思いも胸に刻みながら、責任を持って自分らしいプレー、チームに貢献できるプレーを堂々としたいです。母国で開催される東京五輪に臨めることは光栄ですし、今後の野球人生にとって特別な経験になると思います。チームのために全力で頑張ります」と意気込んだ。

稲葉篤紀監督(48)は「伊藤投手はシーズン中、先発として頑張っていますが、リリーフ適性の高さも評価しています。インコースにもしっかり投げることができ、スライダーのコントロールも良く、初見では対応しづらい投手だと思います。持ち前のマウンド度胸で、思い切り自分のピッチングをして欲しいです。また、千賀投手は、球界を代表する投手の1人です。左右の打者関係なしに、自分の持っているものを出してくれれば、おのずと結果がついてくると思います。先発はもちろん、WBCで中継ぎを経験していることも大きな武器です」と期待を寄せた。

当初の構想ではエース格だった千賀は4月に左足首靱帯(じんたい)を損傷。一時は五輪出場が絶望視されていた。だが順調な回復を見せ、6月17日の3軍戦で実戦復帰。建山投手コーチも視察した同29日の3軍戦で最速156キロを計測し、5回1/3、1失点の投球を披露していた。

復帰の途上だった同16日の代表発表では選出外だったが、中川の故障で空いた枠に、豪腕が合致した。先発だけでなく、リリーフにも適性があり、本来は稲葉監督も両輪での起用をにらんでいた。17年WBCでも4試合で防御率0・82で大会トップの16奪三振。国際大会でも圧巻だった。7月6日のロッテ戦で1軍復帰先発すると見込まれ、五輪初戦まで残り約1カ月でギアが上がることが期待される。

伊藤は開幕から先発ローテに定着し、6勝4敗、防御率2・65と最下位に沈むチームの中で奮闘。6、7月は5連勝中で防御率1点台と例年、ルーキーは疲労がたまる時期にもかかわらず、成績を伸ばしている。150キロ台の直球に複数種類のスライダー、90キロ台のカーブを駆使して奪三振能力も高く、74回2/3で80奪三振。プロ初登板初先発した3月31日西武戦の初回から4月21日ロッテ戦の4回まで23イニング連続奪三振を継続し、プロ野球新人記録に並ぶ快挙も遂げていた。

侍ジャパンではロングイニングも含めた中継ぎ起用が中心となりそうだ。大学代表では不動の守護神を務め、日本ハムでもキャンプ時はクローザー構想もあり、救援の適性はある。