完封負けも手打ったDeNA 今後の課題は積極性と粘りの最適なバランス

中日対DeNA 2回表DeNA2死、右二塁打を放つ柴田(撮影・森本幸一)

<中日2-0DeNA>◇5日◇バンテリンドーム

DeNAは、中日との3連戦で2度完封負けを食らった。完封負けは開幕から46試合目(5月22日ヤクルト戦)までに6度あったが、そこから56試合連続で1度もなかった。ところが、3日に大野雄-又吉-R・マルティネスのリレーで封じ込まれると、5日は先発のY・ロドリゲスからの5投手を打ち崩せなかった。

手は打っていた。三浦大輔監督(47)はスタメンをテコ入れし、2番遊撃に森敬斗内野手、7番二塁に柴田竜拓内野手、8番捕手で戸柱恭孝と3選手を一気に替えた。チームで5安打しか打てなかったが、そのうち2本は柴田と戸柱によるものだった。三浦監督は「いろいろやりましたけど結果(得点)ゼロなので、また来週考えたいと思います」と話した。

この試合はDeNAにしては珍しく、相手先発に多くの球数を投げさせた。相手先発のY・ロドリゲスは最速157キロの直球でぐいぐい押してきたが、5回6四死球で投球数が98球に達し、2安打無失点ながら降板した。三浦監督は「そこだけじゃないですけど。形はつくれても、もう1つタイムリーがでなかった。みんな、何とかしようという思いで打席で入ってくれてる。もう1つ結果につなげられなかったのはベンチの責任」と話した。前日はセ・リーグの「投手2冠」の柳裕也に対し、6回で114球を投げさせ、降板に追い込んでいた。2番手以降を打ち込み、逆転勝ちにつなげた。

DeNAはこれまで好球必打で臨む試合が多く、1イニングの攻撃が1桁の球数で終わることも少なくなかった。4日までの数字だが、DeNAの打者は相手投手に1万122球を投げさせ、1打席あたりの投球数は3・88球。これは12球団で3番目に少ない数字となる(最少は中日の3・83球。セ・リーグ最多は巨人の4・01球。12球団最多は日本ハムの4・11球)。5日現在でリーグ2位のチーム打率(2割5分8厘)、同2位の本塁打数(106)ながら、四球は同5位(282)と少ない。よく言えば積極姿勢だが、悪くいうと淡泊さも否めなかった。

5日の試合ではY・ロドリゲスに対し「ストレートは力強いが、コントロールはアバウトに見える。低めやゾーンから外れた球に手を出して相手を助けないこと」という嶋村一輝打撃コーチのコメントがあった。前日の4日を除くと、これまでの戦いぶりとは色合いが異なる言葉だった。3試合で2度の完封負けだが、相手投手陣に投げさせた球数は、3日が130球で5日が176球。アプローチは異なった。DeNAは残り38試合。積極性と粘りの最適なバランスを模索していくしかない。【斎藤直樹】