「ゴルゴ13」愛読していた星野仙一さん、天国でさいとうさんとゴルゴ話を

星野仙一さん(16年撮影)

さいとう・たかをさんの訃報を聞き、真っ先に思い浮かんだ野球人がいる。18年に亡くなった星野仙一さんだ。

代表作「ゴルゴ13」を愛読していて、楽天監督時代、仙台の自宅には全巻そろえていた。「あいつはすごい。失敗しない」。プロフェッショナリズムにひかれていたのだろうか。担当記者とのお茶会でも、時に自分から話題にしていた。ゴルゴ13が宇宙空間でも依頼を成し遂げたエピソードを振ったら「あったな!」と、まるで自分のことのように喜んでいた。

就任早々の11年1月には、ミヤギテレビの名物番組「OH! バンデス」に生出演。「ただの漫画じゃないよ。時代背景、国際情勢について学べるものがいっぱいある。うちにはドサーッと置いてある。サウナで読んだりしているよ。カッコイイ男ですよ。嫌なやつは、アイツに頼もうかな」と褒めちぎり、スタジオを凍り付かせた。

あれは、星野さんが野球殿堂入りした17年1月のこと。殿堂入りを報じる紙面を、どうつくるべきか、先輩記者と頭をひねった。そこで浮かんだのが、ゴルゴ13からお祝いメッセージをもらうというアイデアだった。さいとう・プロダクションの連絡先を手に入れ、コンタクトした。

突然の話にスタッフの方は驚かれていたが、こちらの趣旨を理解いただき、さいとう・たかをさんにも伝えていただけることとなった。後日「大変、光栄ですが、私は野球のことがよく分からない。失礼があっては申し訳ない」といった理由で、さいとうさんが丁重にお断りされたことを、スタッフの方からお聞きした。見ず知らずの記者の依頼にも、真摯(しんし)に対応してくれたと、感激したのを覚えている。

フィールドは違っても、プロはプロを知る。今ごろ天国で、さいとうさんと星野さんと、ゴルゴ13の話で盛り上がっていることだろう。ただ、もし、あの時、ゴルゴ13が星野さんにお祝いメッセージを送っていたら、どんな内容になったのか。「……」。それが、気になります。【2011~14年楽天担当=古川真弥】