【ドラフト】市和歌山・小園健太はDeNA 1位で阪神と競合

DeNAに1位指名され笑顔で会見する市和歌山・小園(左)とロッテ1位指名の松川(撮影・上田博志)

<プロ野球ドラフト会議>◇11日

最速152キロ右腕の市和歌山・小園健太投手(3年)は、DeNAが1位で指名した。DeNAと阪神が入札し2球団競合となったが、三浦監督が当たりくじを引き当て、ガッツポーズした。

三浦監督は小園に対し「一緒に横浜DeNAベイスターズを強くしていきましょう」とメッセージを送った。

和歌山市内の学校で会見に臨んだ小園はDeNAについて「ピッチャーもバッターもバランスが取れていて総合力が高いと思います」と話した。

今秋ドラフトの超目玉として、誰よりも動向が注目される存在だった。運命の日まで1カ月を切った時点で「毎日、すごく緊張というか、ドキドキの日々を過ごしているので早く来てほしい。不安が少しあります」と話していたが、夏以降もブルペン投球を重ね、プロ入りへ準備は整っている。

小園、高知・森木、ノースアジア大明桜・風間は高校生右腕のBIG3と称されるが、プロのスカウトの中でも、完成度は小園がトップ評価だ。常時140キロ台後半の速球やツーシーム、カットボールなど変化球を駆使する本格派には、全12球団から調査書が届いた。「先発投手として、先発ローテに入って、2桁勝利できる投手になりたい」と意気込んだ。

今春のセンバツでは県岐阜商に完封勝利を挙げ、力量を示した。「プロの球場は甲子園しかやったことがない。普段の大会でやる球場と雰囲気が違う。プロ野球の球場はすごいと思いました」。幼い頃はソフトバンクが好きでファンクラブに入会した。プロ野球は憧れの大舞台であり続けた。

器用な指先が、投手として利点になるだろう。姉智帆さん(21)が知られざる事実を明かす。中学生のころ、小学校高学年だった小園にバレンタインのクッキー作りを手伝ってもらったという。「私が作ると硬くなるけど、健太が作るとおいしく仕上がります。センスがあって上手。プレーンとチョコの味のクッキーで、学校で友だちに配ったら、おいしいと評判でした」。心温まる素顔の持ち主は、容赦なきプロの世界では屈強なスラッガーを料理しにかかる。

2003年(平15)4月9日、大阪・貝塚市出身、184センチ、90キロ、右投げ右打ち。